WOWOW鑑賞 開幕間近甲子園!③

ちゃんと負けてないこと、あるよな
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アゲイン 28年目の甲子園

監督・脚本:大森寿美男/原作:重松清/音楽:梁邦彦/主題歌:浜田省吾
出演:中井貴一/波留/柳葉敏郎/門脇麦/太賀/工藤阿須加/堀内敬子/西岡徳馬/和久井映見

部員の不祥事で甲子園を逃してから28年、当時の野球部主将坂町(中井貴一)は、離婚した妻も亡くなり、一人娘の沙奈美(門脇麦)とも疎遠の一人暮らし。ある日、マスターズ甲子園事務局を手伝っている美枝(波留)が訪ねてくる。坂町たちと同級生だった松川の娘だという美枝は、父が死んだことを告げ、坂町たちにマスターズ甲子園に出ないかと持ちかける。松川の名に反応した坂町は、同期のエースでプロを目指していた高橋(柳葉敏郎)を紹介する。

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このキャストでも評判いいんだー、と感心しながら劇場鑑賞を逃した作品。やっと鑑賞。

中井貴一に柳葉敏郎…テレビっぽくて一昔前な感覚。波留も朝ドラ前だし、麦ちゃんなどここで初めて知ったくらい。地味である。アメリカと違い日本だと、野球テーマは客層も限定される。好評だったのが正直意外。

…なのに泣かされた。(笑)

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マスターズ甲子園?…hiroも本作公開まで知らなかった。野球知識も一切不要。高校時代に坂町や高橋が負った心の傷。かさぶたが剥がれるようにいつしか忘れていった事件。美枝の出現で、その傷がまだ残っていることに気づかされる。

夢の物語であり家族の物語。勝利の瞬間よりも敗戦後のキャッチボールに打たれる。なるほどヒットしたのに頷ける。

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中井、柳葉、西岡徳馬…見慣れた感じはある意味安心感。彼らが整えたグラウンドで若い力が躍動する。

波留が泣く、波留が笑う。間違いなく本作、波留を中心に回っている。麦ちゃんは笑わないし不機嫌。いいね。ラストの中井貴一との「無言の会話」。長々話してるよりもずっと伝わる。

若き日の中井貴一に工藤阿須加。あまり野球シーンはない。たしか本人、野球経験はないのではなかったか。ユニが様になっているのはさすが血筋。松川役に太賀登場で歓喜。好きなんだよなー。

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何気にやられた和久井映見。事件の真相を知る元マネージャー。坂町・高橋らと再会して真相解明。その後、マネージャー復活。和久井映見、46歳、いまだに女子マネの似合う女優。

重松清の原作。展開も事件の真相も少し古い感はある。が、打者に注文通りのストレートを160キロで放り込むような爽快感。高校野球らしい。

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突然終わった彼らの夢。勝っても負けても、終わることでしか次に進めない。グラウンドの隅に置き去りにした大切なものを探しに、再びユニフォームに羽織る坂町と高橋。

「ちゃんと負ける」ことが必要。一度勝負してちゃんと負けたhiroなのだが、もうひと勝負くらいはしかけたいね。




hiroでした。