33本目(6月2日鑑賞)

 
ラストカットが切なすぎる
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ヒメアノ~ル
 
監督・脚本:吉田恵輔/原作:古谷実/音楽:野村卓史
出演:森田剛/濱田岳/佐津川愛美/ムロツヨシ/山田真歩/駒木根隆介/大竹まこと
 
清掃アルバイトの岡田(濱田岳)は先輩の安藤(ムロツヨシ)が片想いするユカ(佐津川愛美)が働くカフェに付き合わされる。そこで高校時代の同級生森田(森田剛)と偶然再会するが、ユカから森田がストーカーだと相談を受ける。これが縁でユカと話すようになるが、頼まれて安藤の気持ちを伝えるとユカは岡田のことが好きだという。
 
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切なかった。
 
序盤、岳ちゃんとムロくんと愛美ちゃんのラブコメパート。上のあらすじの部分ね。なんだかんだで恋の決着がつくんだけど…そこでやっとタイトルドーン!…恋バナは単なる序章。そこまで緩く進んでいた話が急加速、殺人鬼の猛攻撃が始まる。
 
怪物森田を森田剛が怪演。一応現役アイドルだ。なのに容赦なし。ムカついたら殺し、困ったら殺す。人間崩壊。森田の素性が明らかになり、存在感が急成長。森田がいないシーンもその存在を感じさせる恐怖。そこまでやるのか森田剛。ここまでできるのか森田剛。

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岳ちゃんのこの安定感も怪物。いるだけで守りたくなる。最近、何を演じても同じなのが気になりだしている。ムロくんも怪物だ。お前(安藤)がストーカーかと心配になった。
 
佐津川愛美…聞いたことあると思ったら「グラスホッパー」に出ていた。珍しい名前はお得。ホリプロらしい顔立ちでホリプロらしからぬ大胆艶技。

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森田剛の残酷さ下品さが注目されている。それだけではただのモンスター映画。森田はサイコパスではない(ここ重要!)。何が彼をああしてしまったのか。「僕のせいだ」と岡田は言う。いじめた張本人だけではない。見て、調子を合わせて嘲笑った岡田もまた殺人鬼を作り出した一人。
 
いじめの原因が描かれいないから、掘り下げが足りない?…そもそもいじめに原因などあるのか?いじめられる方も悪いのか?原因はなんであれ、いじめはいじめ。原因など関係ない。

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hiroの中高時代、不登校といえばツッパリの専売だった。今のような陰湿ないじめはなかった…と思う。が、そう思っているのはこっちだけかもしれない。岡田は自分なのかもしれない。いじめがもたらす結果を受け止めないといけない。いじめが人を崩壊させることを知らないといけない。
 
「君はこんな人じゃなかった」…岡田は知っている。高校に入って初めての友達だったから。ラストの森田の一言に目が潤む。
 
 
 
hiroでした。

ものすごい日本映画に出会えました。

 
 
 
脚本8 映像7 音響7 配役9 音楽8
39/50