WOWOW鑑賞

 
思い込みは目を曇らせ 常識は真実を隠す
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デビルズ・ノット
 
監督:アトム・エゴヤン/原作:マーラ・レヴァリット/脚本:ポール・ハリス・ボードマン/スコット・デリクソン/音楽:マイケル・ダナ
出演:コリン・ファース/リース・ウィザースプーン/ディン・デハーン/ジェームズ・ハムリック/セス・メリウェザー/クリストファー・ヒギンズ/ミレイユ・イーノス/ブルース・グリーンウッド/アレッサンドロ・ニヴォラ/エイミー・ライアン/ロバート・ベイカー/レックス・リン
 
メンフィスの田舎町でパム(リース・ウィザースプーン)の子スティーヴィーをはじめ3人の少年が失踪する。事件が全米で注目されるに至り、ようやく捜査に本腰を入れた警察だったが、3人は遺体で見つかるという最悪の結末を迎える。ある証言からダミアン(ジェームズ・ハムリック)ら十代の3人の容疑者が浮かび上がり、住民からは死刑を求める声が上がる。警察の捜査に疑問を感じた司法調査員ラックス(コリン・ファース)は、弁護士団に協力を申し出る。
 
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例えばhiroが、やってないのに「痴漢だ」と騒がれる。周囲の目は「お前か」となる。周りの目はhiroの素性も家族構成も仕事も趣味も知らない。周囲の思い込みによりhiroは変態オヤヂだとのイメージが固められる。そんな危険はどこにでもある。
 
3人の容疑者は、ヘヴィメタル、オカルト好きで服装髪型持ち物が然もありなんな「変わり者」。「こいつらに違いない」の空気が醸造され、捜査、尋問、報道、すべてが彼らを犯人とする前提で進められる。そうでない情報は、重要視されず、無視される。誰かが「ちょっと待て」と声をあげても、誰も耳を傾けない。
 
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1993年、実際に起きた事件が題材。3人の容疑者は「ウェスト・メンフィス3」と呼ばれ、彼らの有罪判決により事件は一応の解決をみた。消えた血塗れの男、紛失した証拠品、撤回された証言、警察の高圧的な尋問、司法取引…彼らを犯人として解決を図ろうとした杜撰な捜査を裏付ける事実が次々と浮上したのは、その後のこと。
 
ドキュメンタリー「パラダイス・ロスト」が公開され、多くのロックバンドやミュージシャンが彼らの無罪を主張した。それでも未だに再審は行われないまま、彼ら3人は18年に短縮された刑期を終え、出所している。

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映画の導入はリース。「わたしに会うまでの1600キロ」で絶賛したばかり。本作、セリフ少なく、笑顔もなく、ポッチャリ体型の役作り。「わたしに…」とは対照的な体型に女優魂を見る。ラックス役にコリン。ベイビーフェイスにおひげ凛々しくワイルド風味。
 
再現ドラマ様式ゆえに登場人物が多い。有名役者はリース、コリンとデイン・デハーン。「クロニクル」「アメイジング・スパイダーマン2」のデインの役は…不審者。ただの不審者にデインを当てたこと、何かのサインなのか。重い作品なので再見確認は少し間を置く。

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事件に疑問を持つ司法調査員と一人の被害者遺族の目線で事件を俯瞰する本作。実話ではあくまで「疑惑」。なので明確にしないながらも、ある人物の犯行を匂わせたまま終映。歯切れの悪さは致し方なしか。
 
 
 
hiroでした。