BD鑑賞


お金でも支配できないもの
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フォックスキャッチャー


監督:ベネット・ミラー/脚本:ダン・フッターマン/音楽:ロブ・シモンセン

出演:スティーヴ・カレル/チャニング・テイタム/マーク・ラファロ/ヴァネッサ・レッドグレイヴ/シエナ・ミラー


84年のロス五輪でレスリングの金メダリストとなったマーク(チャニング・テイタム)とデイヴ(マーク・ラファロ)兄弟。次回ソウル大会に向け、練習を続けていたある日、マークはデュポン財閥のジョン(スティーヴ・カレル)の家に招かれ、ジョンをコーチとするレスリングチーム結成構想を聞かされる。兄デイヴと袂を分かち、ジョンのチームに参加したマークだったが、デイヴはまだ来ないのか、とジョンにせっつかれるようになる。


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好評作につき、情報シャットアウトで鑑賞。結末にビックリ。

冒頭で実話なのだと知らされる。抑えた音楽が静かに続く不穏感。実話とくれば感動か事件。スポーツ=感動という図式は通用せず、爽やかさは微塵もない。

爽やかでないスポーツドラマ。感動も歓喜もないなら本作どこを見ればよいの? 迷子になり彷徨うhiro。しょうがないので俳優をじっくり。

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それが、正しい見方。テイタム、ラファロはGIジョー&ハルク兄弟。レスリングなら無敵。銃で撃たれても死ななそうです。…なのにねえ。

テイタムは台詞少なくうつむき気味。くっつきそうな目と目をさらに寄せてのだんまり演技。強い兄への、人気者の兄への、羨望?嫉妬? その奥深い瞳の中で、彼の何某かが蠢く。凄いぞテイタム、こんなだったか。

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「フォックスキャッチャー」とは、ジョンの牧場の名で、そのままレスリングチーム名に。ジョンはコーチといいながら、ただの金持ち。レスリング好きで、選手たちの精神的技術的金銭的な援助者になりたがったジョン。スポンサーで満足していれば起こらなかった悲劇。

元々分裂症の兆しがあったというジョン。母の死後、症状が顕著になり、マークやデイヴとの関係もギクシャク。ジョンを演じたカレルは、特殊メイクで本人に相当似せたらしい。この事件もジョンのことも知らないhiro、評価しようがないのだが。

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マネーボール」の監督です。どちらも米国スポーツ界の実話。どちらも、お金とスポーツの話。ここまで同じでも、革新と事件。やっぱ事件のほうは爽やかにはできないね。

好きか嫌いか、は好きではない。が、3人の役者さんの鬱々とした感じは、ホント凄いな、と思った。



hiroでした。