HDD鑑賞 サマシネ・セレクション③

 
夏といえばタイムトラベル!
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時をかける少女
 
監督:細田守/原作:筒井康隆/脚本:奥寺佐渡子/キャラクターデザイン:貞本義行
出演:仲里依紗/石田卓也/板倉光隆/原沙知絵/谷村美月
 
高校生の真琴(仲里依紗)は、帰宅部仲間の千昭(石田卓也)、功介(板倉光隆)と学校帰りにグラウンドで野球をして帰る毎日。ある日、学校の理科室で人影を見かけて転倒した時から、数時間前に逆戻りする現象が起きるようになる。このことを叔母の和子(原沙知絵)に相談すると、それはタイムリープだと言われる。
 
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細田ブランドを印象付けたメモリアル的作品。筒井康隆の原作をベースに二度の映画化を経てアニメ化。何度観てもいい。
 
タイムリープである。何十年も戻って歴史を変えるような壮大さは皆無。ちょっと戻って妹に食べられたプリンを食べる、問題を知っている試験を受ける。女子高生は小さな便利のために使う。
 
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人の恋愛をサポートしたあたりから、雲行きがあやしくなる。告白したことまでなかったことにして、人の気持ちを弄ぶ勝手さに罪悪感を抱く。三人の均衡は次第に崩れていく。
 
SFベースであるのに、描いているのは思春期であり、青春であり。青春って棘があって周りの人を傷つける。みんなで傷つけ合ってるのだからお互い様。大切なのは傷つけたという自覚を持つことではないかと。

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原作の十年後くらいの設定かな。うまいこと改編。今の若い子にも共感できる。地味に効果的だったのがセリフ。「ったく、先行ってんぞ!」…促音の多い若者言葉。今はコミックとかでよく見かけるけど、当時新鮮だったな。
 
声優陣も新鮮。仲里依紗はこれで知った。後の実写版でも主演。そこで共演した中尾くんが現夫。千昭を演った石田くんが出色。件の促音言葉が堂に入る。板倉くんは中井和哉(ゾロ)だと思ってた。和子は大林版で和子を演った原田知世というわけにはいかなかったか。

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人は傷つき、傷つける。それを自覚した時でないと人の痛みはわからない。痛いけども必要なステップ。それが、このくらいの年ごろなのかもね。何度も観てんのに、そんなこと初めて考えた。歳かね。
 
奥華子の主題歌「ガーネット」の詩。改めて読むと作品とのリンクがハンパない。機会があったらご確認を。
 

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「待ってっから」
 
 
 
hiroでした。
終盤、千昭の噂話の中にある「一回り年上の女性と付き合ってんだってー」って未来の真琴のこと?