BD鑑賞

 

フランクは誰の心にも

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FRANK-フランク

 
監督:レニー・アブラハムソン/原作・脚本:ジョン・ロンソン/脚本:ピーター・ストローハン/音楽:スティーヴン・レニックス
出演:ドーナル・グリーソン/マイケル・ファスベンダー/マギー・ギレンホール/スクート・マクネイリー/フランソワ・シビル/カーラ・アザール
 
曲作りが趣味のジョン(ドーナル・グリーソン)。自殺を図ったメンバーに代わるキーボード奏者を探していたマネージャーのドン(スクート・マクネイリー)に誘われ、その夜、彼のバンドのライブに参加する。演奏は滅茶苦茶だが、彼らの独創的な音楽に魅了されるジョン。特にかぶり物のマスクを絶対に外さない、リーダーでボーカルのフランク(マイケル・ファスベンダー)の個性と才能は、ジョンの生活を一変させる。
 
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フランクは顔を晒さない。マスクの中は心に傷を負ったフランク。ファスベンダーも顔を晒さない。マスクの中で演じるのは人気俳優ファスベンダー。この二重構造は本作の映画としてのキモかもしれない。

フランクはなぜマスクをかぶるのか。彼をそうさせた心の病とは何か。…その問いに映画は少ししか語らない。これは感動の闘病記ではない。

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欧米は心の病の扱いが軽い。フランクの奇行をシニカルに笑う。実は、奇怪なマスクをかぶっているフランクも、見えないマスクをかぶっている周囲の人々も同じ。誰もが心の中に、誰も入れない小部屋を持っている。そして観ている我々も、持っている。

心の病はメンタルの不調。一人だけが変なのではなく、誰でも同じ…メンタル専門家ではないhiro。人それぞれだし、正しいかどうかも不明だけど、そうゆう解釈は嫌いじゃない。

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顔の見えないファスベンダーはファスベンダーだと認識できる。情報のおかげ。ジョン、あー…出てこないもんだなぁ。「アバウト・タイム 愛おしい時間について 」のグリーソンじゃんか(笑)。
 
マギー・ギレンホールスクート・マクネイリーも素敵なサポート。…というかほぼ4人劇。

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ファスベンダーの歌声はデヴィッド・ボウイ似。音楽劇というには静かだけど、クライマックスのマギーとのコラボは雰囲気あって鳥肌もの。
 
 
 
hiroでした。