DVD鑑賞


うま~くい~く♪

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きっと、うまくいく


監督・脚本:ラージクマール・ヒラーニ
脚本:ヴィドゥ・ヴィノード・チョ-プラー/ジット・ジョーシ
音楽:ジャンタヌ・モイトラ/アトゥル・ラニンガ/サンジャイ・ワンドレカール
出演:アーミル・カーン/R・マダヴァン/シャルマン・ジョーシー/ボーマン・イラーニー/カリーナー・カプ-ル/オーミー・ヴェイドヤー/ドゥシャント・ワーグ

学生時代の優等生チャトゥル(オーミー・ヴェイドヤー)は、ファルハーン(R・マダヴァン)とラージュー(シャルマン・ジョーシー)を呼び出し、「10年後に人生の勝者になったのはどっちかを確かめよう」と約束した彼らの親友ランチョー(アーミル・カーン)に会いに行こうと提案する。
学生時代、テストの点の取り方ばかりを教える大学の方針に抗っては、学長のヴィールー(ボーマン・イラーニー)やチャトゥルと衝突ばかりしていたランチョー。卒業以来、彼と連絡が取れずにいたファルハーンとラージューも、居場所を知っているというチャトゥルに同行することにする。


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原題を直訳すると「3バカ」。


やたら好評の本作。やっと観ることができた。

ランチョーを訪ねる旅路。ランチョーとの出会いからの回想で物語は進む。


彼らの通っていたのは、エリート・エンジニアを輩出している工科大学。そこを舞台に、エンジニアになることを親に決められた写真家志望のファルハーン、貧乏な家族の期待を一身に背負っているラージュー、物を作ることが純粋に大好きなランチョーの3バカ、そして、評価しか興味がないチャトゥル、さらには揺るぎない点数至上主義の学長ヴィールーとその娘ピア(カリーナー・カプール)等が繰り広げる、インド版「アメリカン・グラフィティ」。社会の縮図のような3バカ+優等生。主要キャラが実に立っている。


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いつもつるんでた友達、いたな~。


インドの数学力は世界のトップクラスという。工科大学はインドでもトップの理系大学という設定。機械いじりが好きなランチョーが常にトップで、成績に縛られるファルハーンとラージューがいつも苦しむという構図。点数至上主義のインドの教育に警鐘を鳴らす本作。同時に国民の経済格差にも言及。知らなかったインドの姿をみせてくれる。

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歌とダンスが入るのもお約束。

最後に成功を収めたランチョーが拝めれば、それでハッピーエンド。本作が高評価なのもうなずける。うん、おもしろい。ただ、長い。180分近い超長編。
ミュージカルの挿入はインドのお家芸。入れないことには映画として成立しない。それがインド映画だというなら、欧米のエンタメ業界に迎合する必要はない。削る必要もない。
ランチョーの行方不明は必要だったか。青春映画がミュージカルになり、さらにミステリーに変貌する。青春、ミュージカル、ミステリー、それぞれが途切れ途切れ。練りこんでコンパクトにできるんじゃないか、と思った。
…「それがインド映画だ」と言われてしまえばそれまでなんだけど。

そういうのもあって、面白いけど、世間の高評価ほどには萌えなかった。
ハードルを上げすぎた、かもね。(笑)

悩める若きインド人。なんのために学ぶのか、人生の成功とは何か。
主張がストレート。わかりやすくて、胸にズンとくる。

いろんなことがうまくいっていないあなた。
大丈夫、「きっと、うまくいく」から。



hiroでした。