HDD鑑賞


観ないとレコーダーが片付かないので…
buta1
ブタがいた教室


監督:前田哲

脚本:小林弘利

音楽:吉岡聖治

原作:黒田恭史

出演:妻夫木聡/大杉漣/田畑智子/池田成志/ピエール瀧/清水ゆみ/近藤良平/大沢逸美/戸田菜穂/原田美枝子


小学校の新任教師・星(妻夫木聡)は、ある日、担任を受けもつ六年生のクラスに子豚を連れてくる。「命の授業」として、豚を育ててみんなで食べる、という星の言葉もうわの空。子供たちは、子豚の可愛さに嬌声をあげ、飼える楽しさにはしゃぐ。
教頭の仁科(大杉漣)は安全面や衛生面の不安から反対するが、星の情熱を買う校長の高原(原田美枝子)が許可を出す。子豚を育てるという重労働。最初は汚い、臭いと騒いでいた子どもたちも、着々と飼育をこなし、いつしか子豚を愛するようになる。

ピーちゃんと名づけられた子豚もやがて大きくなる。そして卒業が近づいたクラスでは、ピーちゃんを食べるかどうかについて、議論が交わされる。

buta2

ほんとうに普通の人が上手。


実際にあったことらしい。話題にもなったようですが、映画化されるまで知らなかった。概略だけなぞれば、この先生、間違ってはいない、と思う。劇中でもセリフがある。「ピーちゃんは食べれなくても、ほかの肉は食べれるのはおかしい」と思う。養豚で生計を立てている人もいる。彼らは食べられるための家畜を育てている。おいしい肉にするため、飼料から運動量、環境に至るまで、お金をかけて管理されている。彼らは「ひどい人」なのか。かわいいことを理由に愛するなら、かわいくないものは愛さないのか、つまりは差別につながっていないか。

…とは思うのですが、なんで6年生なのか? 卒業を控えた大切な時期。大人の階段のぼり中。中学受験もあるだろう。先生、「今じゃないでしょう」。


buta3

こんなに可愛いんだもん、悩むよね。


事実関係はともかく、これは映画である。これはエンターテイメントである。「ドルフィンブルー フジ、もう一度宙へ」の監督。動物撮ってたから話がきたのか。動物好きだとすると、どう描くか悩んだと思う。夢にピーちゃんが出てきたことだろうと。

出した答えは、「子どもたちに預けよう」だったか。妻夫木演じる星先生。名前を付けさせたことが、すでに失敗。あげく「お前たちが決めろ」。これが監督の選択か。終盤、冷酷でさえあった。

子どもたちが討論する。真剣に。脚本はあった。セリフはあった。が、同じセリフにも子どもたちの感性が憑依する。否定している子が泣きだす。肯定している子も泣きだす。もはや演技ではない。撮影現場の混沌が伝わる。星先生も御しきれない。


討論のライブ感が監督の狙いか。だとすれば、その迫力は伝わった。終盤はほぼその空気。重い、エンタメだったかな。最後に先生の一票で決めたのは、強引にまとめた感。


子どもが観るべき映画なのかもしれないけど、hiroは子どもに勧められないかも。




hiroでした。