…ということで(笑)


DVD鑑賞


誰にもある、世之介との想い出。
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横道世之介


監督・脚本:沖田修一

脚本:前田司郎

音楽:高田漣

原作:吉田修一

出演:高良健吾/吉高由里子/池松壮亮/伊藤歩/綾野剛/朝倉あき/黒川芽衣/柄本祐/佐津川愛美/堀内敬子/國村隼/井浦新/きたろう/余貴美子/大水洋介/田中こなつ/江口のりこ/眞島秀和/ムロツヨシ


長崎から出てきた大学一年生・横道世之介(高良健吾)。同級生でラテンアメリカ研究会でも一緒の倉持(池松壮亮)と唯(朝倉あき)は、世之介を介して知り合い交際を始める。年上の千春(伊藤歩)は、世之介に弟役のバイトを依頼する。友人の加藤(綾野剛)とのWデートに付き合ったことをきっかけに祥子(吉高由里子)は世之介と付き合い始める。

25年後、世之介とは別々の道に進んだ彼らは、ふとした瞬間に世之介のことを思い出す。彼らの思い出の中の世之介はいつも笑っていて、みんなを温かい気持ちにさせる。


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倉持との会話は神業レベルの「ふつう」さ!


吉田修一の原作を映像化。原作は未読。「パレード」も「悪人」も未読(「パレード」は映画も未見)ながら、今作とはイメージが違いすぎる。映画「7月24日のクリスマス通り」の原作(原題「7月24日通り」)も彼だという。その映画作品は好き。吉田修一のイメージが、固まらない。今作の主人公は長崎出身。「7月24日…」は長崎が舞台。「悪人」も九州。共通点はそんなところか。


そして、沖田監督と高良君の組み合わせ。「南極料理人」では最年少の調査員。「キツツキと雨 」では主人公の息子。もう沖田作品の常連。

その沖田監督、会話のシーンの長回しが得意。今作もそのオンパレード。長いのにセリフの文字数は多くはない。その「間」で、場の空気が作られる。監督とカメラマンと照明さんと役者さん。みんなで作る空気。絶妙の間が心憎い。

恒例の食事のシーンが物足りない。「南極料理人」の食堂、「キツツキと雨」の親子の食卓、どちらも秀逸。今作のハンバーガー、すいかは少し弱い。監督のサイン漏れ、みたいな。


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大人の女・千春にもコンプレックスが。


「世之介のエピソード~現代」の繰り返し。世之介が彼らの人生にどれだけ大きな影響を与えたのか!…なんてことはない。「世之介のことは片時も忘れたことがない」…なんてセリフが聞こえてくることもない。世之介は彼らの人生の一時期を通り過ぎていっただけ。

でも、彼らはときどき思い出す、世之介のことを。そして彼らは思う、世之介は面白い奴だったと。


吉田修一とhiroは似たような世代。物語の時代背景は彼の青春時代。なので、hiroにも親近感のある時代。映像化した今作、その部分はずいぶんと力を入れたもよう。原宿なんかも、あんなだったね。女の子もあんな感じやったね。柄本君みたいな奴おったね。狙ったのかもしれない。狙い的中。懐かしかったもん。(笑)


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親友加藤には、人に言えぬ秘密が。


韓国人留学生の事故が報じられる。あぁ、あったよ、そんな事故。そこに世之介の存在がかぶさる。かぶさることで、世之介の存在にリアリティが増す。


説明になってなかったら申し訳ない。でも、この作品はそういうこと。これ以上でも以下でもない。ただ…不思議な感覚。自分も世之介を知っているような…感覚。自分の青春時代にも世之介がいたような。登場人物が回想する想い出。さぁ、次は自分の番だと。


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吉高史上最高のかわいさ、ではないか?


ミスターシネマ高良健吾の代表作になるかもしれない、一本。今までに見たことないようなキャラクタ。それだけじゃない。誰もが共通認識を持つ「世之介」というアイコンを見事に演じる器用さだ。

今をときめく綾野君も出演。吉高にいたっては、今までこんなかわいい彼女に出会ったことがない、と唸るかわいらしさ。

池松君は目をひいた。彼のセリフがとてもふつう。受ける高良君のセリフもごくごくふつう。二人の会話は、観ている者を学生時代の思い出に導入する呪文。あ。池松君の彼女は朝倉さん…かぐや、じゃん。


あれ?…高良君+吉高+ARATA…? この3人って。(笑)


きっと、世之介、のような人、誰の周りにもいるのだろう。

もしかしたら、あなたが、誰かにとっての世之介、なのかもしれないし、ね。




hiroでした。

観たのは年末だけど、なんとなく一発目に紹介したくなり。(笑)

今日は元旦。1日なので映画は1000円ですね。何か観に行く予定あり、ですか~?

hiroはあの作品の続編を観に行く予定です。

今年もいろんな映画を観て、いろんな人と出会いたい。

みなさんにも素敵な映画との出会いがありますように。