59本目(11月9日鑑賞)


誰もがかよに恋をする
観たい映画を観て、読みたい本を読んで、聴きたい音楽を聴く!-fuzoku1

風俗行ったら人生変わったwww


監督・脚本・編集:飯塚健

撮影:相馬大輔 照明:佐藤浩太

録音:田中博信 美術:相馬直樹

音楽:海田庄吾

出演:満島真之介/佐々木希/松坂桃李/中村倫也/山中総/藤間宇宙/穂のか/駒木根隆介/上原実矩/阿部進之介/山田真歩/佐藤二朗/金田哲/諏訪太朗/菅原大吉/時田愛梨/滝藤賢一/谷村美月


29歳・薄給派遣社員・吃音・コミュニケーション障害、そして童貞の遼太郎(満島真之介)。人生を変えたいと思い、自暴自棄気味にデリヘル嬢を指名。宣伝チラシのような娘が来るわけがないとタカをくくっていたところに現れたのがかよ(佐々木希)。遼太郎は恋に落ちる。

晋作(松坂桃李)らネット仲間の後押しもあり、かよと付き合い始める遼太郎だったが、ある日突然かよからの連絡が途絶える。かよの口から彼女の過去を聞き、中畑(中村倫也)という男の存在を知る遼太郎。暴力をふるい、お金をたかる中畑からかよを救うべく、遼太郎は立ち上がる。


ネット発生の純愛ストーリーがコミックになり映像化。その経緯から「電車男」と比べてしまうが、まあ狙いはだいたいそんなところ。「電車男」ほどのインパクトや斬新な映像体験は期待しないほうがいいかも。

かよとの出会い。DV男との対決。金融業者との対決。流れとしてはこの3段階。前半から金融業者の影をちらつかせておくなどすれば、連続性ができただろうに、DV男、金融業者が突然現れるあたり、脚本のツメが甘かったか。撮影期間、編集時間が短かったのが惜しまれる。

ただ、コミュニケーション障害やDVなど、ベースに敷き詰めたエレメントは重い。遼太郎やネット仲間たちのキャラクターで、明るく、軽く描いたのは成功だと思う。


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コンプレックスを跳ね飛ばし、

変わろうとする姿には元気をもらえる。


今作が初主演となる真之介。お姉さまの力もあってか、のっけからネームバリューがあるわけです。なのに、いるのは知ってたけど、hiroはこれが初見。姉の七光かとも思ってました。
で、前の記事 の通り、舞台挨拶も見たわけですね。とても、紳士的でイケメンな好青年。ところが、映画が始まってみると、紳士的でイケメンな好青年はどこにもいない。緊張すると吃音が出る。自分に自信が持てない。「童貞」という言葉をその象徴のように配置している。真之介、熱演。


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こんな娘、デリヘルにいるんかい?

いたら…恋するだろうな。


誰もが一番気になるところ…希ちゃんが風俗嬢。いったいどこまでやるの?…だよね。どうせ脱がないんでしょ、って思いながらも気にかかるのが男心。ばらしてしまえば、ストーリー上でも、緊張した遼太郎は吃音が始まり、過呼吸となり、で結局「何もしなかった」ので、そういうシーンはありません。デートムービーとして観に行っても女性が観て全然平気です。かよが何故風俗嬢などやっているのか、というあたり、なかなか女性も考えさせられるつくりになってます。

その希ちゃん。単なるアイコンなのかなと思ってましたが、しっかり演技してました。前半部分、遼太郎に共感を感じてデートを重ねるあたりは実にかわいい。これを観た男性はだれもが「かよ」に恋をする。後半、過去を遼太郎に打ち明けてからのかよはまた別人。アイコンに演技力を望んでいなかったせいもあるのか、希ちゃんの演技に少々驚愕。ふくろうは笑えた。


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桃李くんもかなりいっちゃってたキャラ。

楽しそうに演じてたね。


僕達は世界を変えることができない」「アントキノイノチ」等々、カッコイイのに結構難しい役をこなしてきた桃李。最近はちょっとカッコイイだけの役が増えてきたような気もする。今回は、HN「歴史先輩」こと遼太郎のネット友達晋作役。「電車男」に当てはめれば瑛太がやってた役どころ。ネットで株で稼いでるイケメン。彼が中心となって遼太郎の恋を後押しする。晋作の話し方、うける。桃李は器用な役者です。


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感動(?)のクライマックスは、

ネット仲間とともに。


自分に自信が持てずに「変わりたい」と願う遼太郎の成長記。

人がよすぎるかよ。いつも流され、男に利用され。かよもまた「変わりたい」ひとり。

コンプレックスは誰にでもある。誰でも変えたいと思う自分がある。そんな人たちへのエール。


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豪華カメオ陣。右のタンクトップの俳優は…


きれいにまとめた後でなんなんですが、ちょこっと出てくるカメオ陣がなかなか豪華。写真の方は、もうツボ。Kitacoさん、出てましたよ~。

途中ピザの配達員で登場の谷村美月。スパイスのきいたツッコミで退場かと思いきや、今作のラストにも登場。たった2カットの登場でおいしいとこ持ってきました。「陽だまりの彼女 」のOL役といい、なんかふっきれた感が漂う。要注意女優である。



hiroでした。


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