48本目(9月10日鑑賞)


男が惚れる漢
観たい映画を観て、読みたい本を読んで、聴きたい音楽を聴く!-ch1

キャプテンハーロック


監督:荒牧伸志

原作総設定:松本零士

脚色・脚本:福井晴敏

脚本:竹内清人 音楽:高橋哲也

出演:小栗旬/三浦春馬/蒼井優/古田新太/福田彩乃/森川智之/坂本真琴/沢城みゆき


宇宙に進出した地球人同士の均衡を守るガイア・サンクション。彼らは青い地球を不可侵の聖域として、いかなる者の入植も許さない政策をとっていた。

そうした統治に従わず、「自由」の旗の下、抵抗を続ける男がいた。広域指名手配S-00999、海賊船アルカディア号を駆る宇宙海賊キャプテン・ハーロック(小栗旬)。

ガイア・サンクションの長官イソラ(森川智之)は、実弟ヤマ(三浦春馬)にハーロック暗殺を命じ、アルカディアに潜入させる。


観たい映画を観て、読みたい本を読んで、聴きたい音楽を聴く!-ch2

対峙するヤマとハーロック。


松本零士の往年の名作「宇宙海賊キャプテン・ハーロック」をフルCGでアニメ化。賛否両論あるなか、多くの方が満足しているのは映像。背景にこのCGを使い、ブルーバックで役者さんに芝居をさせれば、そのまま実写映画化も可能なのではないかというレベル。モーションキャプチャーはもちろん、フェイスキャプチャーにより、表情や肌の質感をリアルに再現しています。

このCG技術は、もう十数年前からゲーム業界でふつうに使用されていたんですよね。ファイナルファンタジー、バイオハザード等々。さらにゲームでは、この背景の中で登場人物をコントローラーで自由に操作までできる。おそらく、こっちの方面の日本の技術は世界基準。もう行くところまで行っちゃてるんじゃないでしょうか。


観たい映画を観て、読みたい本を読んで、聴きたい音楽を聴く!-ch3

イソラとナミ。ナミはヤマとも幼馴染。

この三角関係はなかなか大人な関係。


映像が素晴らしい一方で違和感が残るのが音響効果。アーマード・スーツを着こんだ乗組員の戦闘シーンなどの衝撃音が、なんか薄っぺらい。CGだからというのは関係ないと思うんだけど。鑑賞した設備の問題だけなんでしょうか。せっかく世界基準の映像があるのですから、もう少し頑張りましょう。


観たい映画を観て、読みたい本を読んで、聴きたい音楽を聴く!-ch4

ハーロックの存在のカギを握るミーメ。

ちょっと怖い。


さて、オリジナルをベースに新たに構築されたストーリー。松本先生は当然書かない。で、代わってストーリーを作ったのが作家の福井晴敏。「亡国のイージス」「終戦のローレライ」「真夏のオリオン」などが映像化。「人類資金」の公開も近い。福井先生はガンダムの原作も手がけており、彼の描く近未来の政治情勢などの設定が実に念が入ってる。彼の作品が好きな人は、その念の入れ様が好き。嫌いな人は、そういう小難しさが嫌い。結構、好き嫌いのハッキリする作家さんだよね。



観たい映画を観て、読みたい本を読んで、聴きたい音楽を聴く!-ch5
シャワーシーンは不要?(笑)


そして最も議論されているのはハーロック像。かつてテレビ放映されていたアニメでは、いかなる困難にも、自由のために颯爽と立ち向かう、完全無欠のヒーロー。ところがこの作品では、彼の行動の真意が徐々に明かされ、今まで抱いてきたハーロック像を覆す展開が待っている。このハーロックが受け入れられない人は、たぶんダメだ、この作品。


「ハーロックというのは象徴だ」というセリフがある。だから、いろんなハーロックがいていいと思うけど。

hiroは世代的にドンピシャだけど、入れ込み度では、ヤマト>999>ハーロック…だったかな。入れ込み度が高くなかったせいもあるんだろうけど、ああゆうハーロック、好きだけどな。


声優陣は、言われているほど悪くないと思う。特に小栗君と古田さん。二人とも「らしさ」を抑えた控えめな声。それが、だめ? あんまり「らし」すぎても、主張し過ぎって言われちゃうじゃん。(笑)



hiroでした。