DVD鑑賞


町興しコメディかと思いきや、熱い「オンナの闘い」ムービー!
観たい映画を観て、読みたい本を読んで、聴きたい音楽を聴く!-つな1

綱引いちゃった!


監督:水田伸生

脚本:羽原大介 撮影:中山光一

編集:平澤政吾 音楽:岩代太郎

出演:井上真央/玉山鉄二/浅茅陽子/西田尚美/渡辺直美/ソニン/犬山イヌコ/中鉢明子/石丸謙二郎/佐藤二朗/野間口徹/木南晴夏/齋藤隆成/石塚英彦/笹野高史/風間杜夫/松坂慶子


大分市役所職員の千晶(井上真央)は、認知度の低い大分市のPRのため市長(風間杜夫)の命令で女子綱引きチームを結成することに。千晶は、母親(松坂慶子)の勤め先で廃止寸前の給食センターの職員をチームに招き、全国大会に出場できれば廃止を撤回するよう市長に提案する。市内の男子綱引きチームの熊田(玉山鉄二)をコーチに迎え、どうにかチームを結成するが、それぞれ家庭に問題を抱えるメンバーの心はなかなかひとつにならない。


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デコ推しドキドキ真央ちゃん


市のPRのために奔走する地方公務員。「県庁おもてなし課 」と同じシチュエーションですね。その題材が「綱引き」とはよくぞ見つけた、と感心。「阿波DANCE」の阿波踊りといい、「書道ガール」の書道といい、地域再発見の潮流に映画メディアが一役買っていることは好ましい状況ですよね。

大分市の歴史に名を残す女子綱引き。世界大会に名をとどろかせた伝説のチームがあるそうです。その綱引きを復活させようと指導者を探す。「綱引きのコーチですか? いるんですか?」と思いきや、その綱引きにまじめに取り組んでいる男子チームが登場。こうなると笑い事じゃなくなってくる。


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大御所もおばさん役にどっぷり。


それでも、コメディですから、スポ根には陥らない。チームのメンバーが実に個性豊か。筆頭はなんといっても大御所松坂慶子さん。コメディやっても、大御所の貫録。体型も貫禄。浅茅陽子はなにか秘密を抱えてる。映画界のスーパーサブ・西田尚美は息子のことで悩んでる。ソニンもまる子も元モデルもビヨンセも、みんな悩んでる。でもおばさまが集まると強い。なんでも笑い飛ばすパワーを持っている。出色はビヨンセ・渡辺直美。真央ちゃんの恋敵のお笑い担当と思いきや、認知症の父(笹野高史)と二人暮らしという、笑えない環境。演じきった映画ルーキーに拍手。起用したスタッフに拍手。


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意外(?)な名演の渡辺。


こんなおばさま方を向こうに回して奮闘のhiroの後輩・真央(笑) この子は共演者に恵まれているというか、逆に恵まれていないというか。強烈な人たちばかりなので、持ってかれ傾向がありますよね。一方、恋のお相手タマテツ。最近、「二枚目なんだけど情けなさめ」な役が多いですよね。そろそろ、ホンマモンの二枚目もみてみたい。タマテツ・真央・ビヨンセの恋のバトルの様相は軽め。あそこあんまりしつこくやるとビヨンセが「嫌なオンナ」になっちゃうからね。適度だったと思います。

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今回も二枚目半なタマテツ。


よかったのは、綱引きバトルに陥らなかったこと。「主婦が数か月がんばって、見事全国大会へ!」なんて都合がよすぎます。物語は、ふだんは騒いでばかりに見えるおばさまたちも、オンナゆえ、主婦ゆえの壁にぶつかり、もがいている様を描いています。脚本も、カメラワークも、チャンチャン・コメディじゃない、感動ドラマを作ってるんじゃないかという気合で迫ってくる。気合の入ったコメディは、見応えがある。


でも、映画館でしゃべくりまくってるおばさま方は嫌だなぁ。



hiroでした。