DVD鑑賞


出演者の演技が凄い…んだけど。
観たい映画を観て、読みたい本を読んで、聴きたい音楽を聴く!-tunagu01
ツナグ


監督・脚本:平川雄一朗

撮影:中山光一 録音:小宮元

照明:松本憲人 美術:花谷秀文

編集:伊藤潤一 音楽:佐藤直樹

原作:辻村深月 主題歌:JUJU「ありがとう」

出演:松坂桃李/樹木希林/佐藤隆太/桐谷美玲/橋本愛/大野いと/遠藤憲一/別所哲也/本上まなみ/浅田美代子/八千草薫/仲代達矢


一生に一度だけ死んだ人と再会させてくれる能力をもつ者…ツナグ。親から子へ受け継がれるその能力を持つ祖母(樹木希林)をサポートする高校生の歩美(松坂桃李)。死者との交渉の結果を依頼人に伝え、面会の段取りを組む歩美は、人々のさまざまな想いに触れることになる。


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希林さんの演技に大絶賛。

桃李くんは現場に恵まれてるね。


希林さんの演技に拍手。出過ぎず、引き過ぎず、絶妙の立ち位置。桃李くんは応援している若手の一人だけど、さすがに彼女には太刀打ちできない。いや、むしろ、希林さんの力で桃李くん、輝きが増してました。


以下、出演者紹介を兼ねてエピソードをサラッと。


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八千草さん×遠藤憲一さん

「権利書がみつからない」と母(八千草薫)との再会を依頼した息子(遠藤憲一)の話。安定の二人。もう安心して観ていられます。「ツナグ」の仕事現場紹介も兼ねているので、視覚的演出も見どころだよ。


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いと(手前2人目)×愛(手前3人目)

演劇部で親友同士の御園(大野いと)と嵐(橋本愛)。事故で死んだ御園に会いたいとツナグに依頼した嵐は、ツナグが同級生の歩美だと知って驚く。このエピソードは一番見応えがあるよ。「いい娘」役の多いいとちゃんと、朝ドラのユイちゃん役でスクリーンを飛び出して、もはや国民的大ブレイクの愛ちゃん。この二人のバトルが壮絶。愛ちゃんが、何の理由もなく、顔だけで人気者になったわけではない、というのがよ~く理解できる。いとちゃんはホントに難しい役。彼女の実力の確かさ、ここで証明。ストーリーもまた、微妙な「女同士の友情と嫉妬」というグレイゾーンの話。ブラックで、ちょっと怖いよ。


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隆太×美玲

今作のエンディングを飾るのは、行方不明になった彼女(桐谷美玲)との再会を依頼する男(佐藤隆太)。行方不明ということは、生きてるか死んでるかわかんないんだよね。で、もしツナグによって会えるということは…そう、実は死んでたってことなんだよね。これは3つのエピソードの中で一番泣ける話かな。だから一番最後なのかな。


とにかく出ている役者さんの熱演が光る。希林さんはいうことなし。八千草さん、仲代さんまで登場。豪華ベテラン俳優陣。

そんな状況にありながら輝いていたのが、上記でも絶賛しているように橋本・大野のJKペア。この映画の主役なんじゃね、と思ってしまうほど熱い。

JKペアに完全に食われちゃったのが隆太と美玲。二人して一本調子のセリフまわし+一本調子の表情ときた。まあ、隆太くんはそれが売りだし、美玲ちゃんはとってもきゃわいいのでOK、許す。(笑)


ストーリーは説明不足…というかほぼ説明してないし。「ツナグ」という能力があり、ルールがあるというのが前提。原作未読のため、物語の質感がつかみにくい。「ツナグ」の存在としては「死神の精度」の「千葉」みたいな雰囲気なんだろうか。もうすこし掘ってくれれば、主人公…特に歩美に思い入れが生まれただろうに。希林さんの演技に頼りすぎたか、スタッフ陣。


脚本も少し甘い? 監督自らの脚本。きっと目で読めばスラスラ進むセリフたち。ただ、姿勢が良すぎて、リアリティがないセリフたち。監督・脚本の平川さん、テレビ出身の監督らしい。おお「とんび」をやってましたか。「ROOKIES」はドラマも映画も、の売れっ子さん。脚本の手腕は今ひとつ、と思っていたけど、このドラマのラインナップ、なるほど姿勢正しいセリフの応酬。何気に監督の個性なのか、と思い直す。そういうことにしておこう。(笑)


ちなみにこの作品、TBS系作品ではなく、実は日テレ系というのも面白い。



hiroでした。