DVD鑑賞


恋とニュースのつくり方



難解な作品のあとはやわらかいコメディをどうぞ。

観たい映画を観て、読みたい本を読んで、聴きたい音楽を聴く!-恋ニュース1


地方テレビ局のプロデューサーを解雇されたベッキー(レイチェル・マクアダムス)は就職活動の末、ニューヨークのマイナー局に再就職。任されたのは朝の情報バラエティ番組。就任早々、プレイボーイで打合せにも顔を出さないメインキャスターを首にして、仲間の信頼を得る。

ベッキーが次にとった行動は代役キャスター探し。各局のキャスターを物色するものの適当な人材にはたどり着けず、かつてピューッツア賞もとったことがあるベテランニュースキャスター・マイク(ハリソン・フォード)を口説き落とす。過去の栄光と名声を守ろうとするマイクは、朝の情報バラエティを知り抜いている女性キャスター・コーリン(ダイアン・キートン)を中心とした仲間たちと馴染めず、視聴率も伸びない。

やがてベッキーは上司のバーンズ(ジェフ・ゴールドブラム)から番組の打ち切りを宣告されるが、番組内容の一新を図って視聴率を上昇させる。



観たい映画を観て、読みたい本を読んで、聴きたい音楽を聴く!-恋ニュース2

ダイアン・キートンとハリソン・フォード。

ベテランの味のある掛け合いが堪能できる。


劇場公開時からレイチェルみたさに興味があった作品。監督が「ノッティングヒルの恋人」の監督ロジャー・ミッシェル、脚本が「プラダを着た悪魔」「幸せへのキセキ」のアライン・ブロッシュ・マッケンナ。ハッピーエンドは約束されたようなタッグである。もちろん裏切られない。これもハッピー・エンド。


タイトルにある「ニュース」と「恋」。話はそれぞれ別に進行する。あらすじをご紹介したのは「ニュース」部分。コメディに出る時のハリソン・フォードは大げさでよい。怒った時の表情がまた、帝国軍の宇宙船を前にしたハン・ソロそのものである。笑えた。

ただし、この作品で扱っているのはバラエティ番組。ニュース番組ではない。必死にニュース番組を作ろうとしているマイクに対し、バラエティ色を強調しようとしているのがベッキーやコーリンたち。結局最後はバラエティになびくので、タイトルにやや違和感を覚える。



観たい映画を観て、読みたい本を読んで、聴きたい音楽を聴く!-恋ニュース3

モテモテのプロデューサー・アダムとの恋


そして恋のパート担当はアダム役のパトリック・ウィルソン。「パッセンジャーズ」、「ウオッチメン」等、何本か彼の出演作を観ているが、申し訳ないが記憶にない。クリスチャン・スレーター似のミドル・マッチョである。作品中はモテモテの設定だが、説得力に欠ける。いや、あくまで僕の主観。結局ベッキーの仕事第一主義は変わらず、アダムの心も離れかけるのだが…。こちらもベッキー、積極的に恋を「作って」はいない。ゴーイング・マイウェイ。こちらもタイトルに違和感。


このタイトルは誰が考えたのか。仕事と恋に頑張る女性がターゲット? タイトルと違うじゃんと怒られてもしょうがない。原題は「Morning Glory」。全然違う。


ツボになるのはやはりレイチェルとフォード。州知事の不正を暴く大スクープを生で放送し、ニュースのあり方をベッキーに示したマイク。しかし、彼は仕事一筋だった彼が失ったものを語りだす。対極。ベッキーは仕事か恋かの選択を迫られる。

そんな折、全米大手のテレビ局から看板番組のオファーを受けるベッキー。彼女が選んだのは…。


ベッキーに自分の過去を見たマイクが、彼女になびいていくさまは自然。うまい脚本である。

が、アダムはなぜ? マイクの真実を見抜けなかった三枚目ではないか。仕事一筋のベッキーにちょっとふてくされるダメ男ではなかったか。なのに突然「テレビをみてるか。彼は引き留めてる」などといい人になる。アダムの立ち位置…途中で脚本、変わったか? 編集で切られてるのか? タイトル上「恋」も作る必要があったのではなかったか。作ってないぞ、恋。


全体として働く女の子のための元気ムービー。少々の突っ込みどころがあるにしても、出来はなかなか。レイチェルは可愛く撮れているし、ハリソン・フォードもちゃんと生かしてる。洋画版「ホタルノヒカリ」という感じか。


仕事に疲れている女性が観ると、元気が出るのではなかろうか。


あ、ブルーマンが1カット出てた。



hiroでした。

次回は「おおかみこどもの雨と雪」だよ。