15本目(4月13日鑑賞)


アーティスト



観たい映画を観て、読みたい本を読んで、聴きたい音楽を聴く!-アーティスト


本年アカデミー賞の作品賞・監督賞・主演男優賞等5部門獲得の話題作。フランス人監督(ミシェル・アザナヴィシウス)によるモノクロのサイレント映画というのも話題。

「モノクロ? サイレント? 話題性だけ?」と当初は訝しがっていた。モノクロだと眠くなりそう……やや寝不足気味という生活習慣も不安要素のひとつではあった。

ただ食わず嫌いはよくない。なんでも一口は食べてみるべし。ということで鑑賞。結果……オスカーを5つも取る作品かどうかは別として、かなり刺激的だった。経験のないサイレント映画を観てみたい、程度の興味本意で観ると痛い目に。そんな甘い映画ではありません。一筋縄ではいかない、かなりの集中力を要する映画です。眠くなりそう…とんでもない。眠くなっている暇なんてなかったです。


その理由、ひとつは決まったセリフは、たまに字幕で出てくるセリフのみで、あとの細かいセリフは俳優の表情や素振りで「ご自由に想像してください」です。だから、俳優の表情や素振りを注意深く観察するようになる。想像力が働く人は、そこに自分オリジナルのセリフをかぶせてしまったり。何かと忙しい。


サイレントゆえ、ストーリーはいたって単純。サイレント映画スター・ジョージ(ジャン・デュジャルダン)と彼にあこがれるエキストラ女優・ペピー(ベレニス・ベジョ)。時代はサイレントから音声入りのトーキーの時代へと移っていく。観客は声を聞きたいわけじゃない、とトーキーの流れに逆らうジョージはやがて取り残され、落ちぶれていく。一方彼に見いだされて、着実に実績を積み上げてきたペピーは、トーキー時代に適合し、スター女優へと駆け上がっていく。彼への思いを断ち切れない女優と時代に反発し自らを「THE ARTIST(芸術家)」と強がる二人の絆の物語。


観たい映画を観て、読みたい本を読んで、聴きたい音楽を聴く!-アーティスト1
これは映画史上に残る名シーンになるかも。


いくつかの仕掛けがあります。ただ、あまり書けない。なのでヒントだけ。

1.オープニングの映画の撮影シーンで拷問にかけられた主人公が発するセリフ。これはその後の主人公の生きた方にもつながります。

2.コップ。これはこれ以上書けません。ただ、単に昔のサイレント映画を再現した映画ではない、今観る映画だからこそのアトラクション的要素です。このアイディアは凄い。

3.落ちぶれた元スター・ジョージが街を歩くシーンのビルボード。字幕も出るので見逃さないと思います。


また、先日鑑賞した「人生はビギナーズ」に続いて、ここでも犬優が大活躍。テレビ映画で活躍しているアギーというジャック・ラッセル・テリア。こちらもパンレットで、他の俳優さんと同等の扱いで紹介されています。


観たい映画を観て、読みたい本を読んで、聴きたい音楽を聴く!-アーティスト2
負けてられないワン!


観終わった感想…心地よい疲労感。映画作品と正面からぶつかり、戦った作品。なかなか記憶にないです。すぐに思いつくのがいまやクラシックとなった「スティング」。昨年の「ブラック・スワン」も種類は違うけど、緊張感のある映画でしたね。


果たし状を胸に、映画館に行こう!


公式サイト


hiroでした。




ポメラニアンのまめに捧ぐ