11/10

今日から化学療法開始。

朝は採血。看護師さんの腕がいいのが痛くない。

尿検査は朝一ではでないの少し後になる。

9:00前には消化器内科E医師と研修医の方が来て話す。背中の痛みやカテーテルの痛み、喉の違和感を伝える。背中の痛みはセレコックスで足りない様であれば医療麻薬も使うとの事。自分はまったく抵抗が無いので、気持ちは楽になる。

 

10時頃には姉が来てくれて話をする。

その前に姉には今まで生きる意味をずーっと考えていた事を話す。一応、『人生に特段の意味はなくただ生きる事しかできない』と思っているが、生きることへの疑問は常に抱えたままだと話す。姉もそんな風に悩んだ事が大学時代にあり、それも海外を歩き回った理由だったと聞く。

 

インドでカーストの乞食の人を見た強烈な体験が影響した事を聞く。自分も話でしか聞いた事がなく体験者の生の声を聞かされるとそれよりももっと重く感じる。

こんな生きる事に対する強い疑問や問いかけは岡本の家族性がそうさせるんだろうか? そんなこと考えないまま生まれて死んでいく人が大多数と思っていたので、同じ感覚をもった人が家族にいたことに驚く。

 

また、ガンと自覚してからまったく泣いたり不安になっていないのが、逆に自分の心を傷つけているのかもしれないと思っている事を話す。

ガンになる事は罪か罰なのか、ガン患者は普通に生きることは許されないのか、医療としてはガン患者は人間として普通に平民として生活する事が出来ない「カースト」の最下級民以下なのかと思わされる。

 

午前中に片付けるべき仕事をやり終える。これは自分がやりたい仕事だし、存在価値を確認できる事になっている事なのかもしれない。途中、Sさんに電話をして確認。

そのせいで、化学療法のスタートが30分くらい、後送りしてもらう。

 

最初の吐き気どめを点滴しているうちに緩和ケアを担当しているM医師と緩和ケア看護師のW看護師?が来て話をする。背中の痛みやカテーテルの違和感について話し、それを解消するための処置をE医師と話してもらう事もなる。例え大幅な変更がないとしても、患者を安心させようとする姿勢を見せることも大切なんだろう。ついつい斜に構えて裏を考えてしまうのは良くない癖だとわかっているが、性分はなかなか変われない。

 

その後、薬剤師さん、ガン専門看護師と次々に病室にきて説明、話をしてくれる。

普通の患者より沢山のスタッフを巻き込んでいる患者なんだろうな、と思う。でも、早く普通の市民に戻りたいから、使える物は最大限使いたいし、その努力をしたい。生きてて良いんだ、と思いたい。

 

化学療法の薬剤、ベバシスマブを終え、イリノテカンとレボホリナートを1/3程入れた段階ではさほど身体の異常や変化は感じない。

今日はほとんど副作用がです、明日以降になるはずとの事なので、こんなものかもしれないな。

ただし、ガスはストーマからよく出るが便は全然出ない。

 

16:00頃イリノテカン、の投薬終了。少し鼻水が出始める。

この時点で心電図が取れていないと確認されたが、パットはちゃんとついている。どうやら無線心電図の電池切れらしい…。今回は何もないから良かったけど、深刻な状況になってナースコールも押せないときはどうなるんだろうか?

ヒラリハット、労災ピラミッド(ハインリッヒの法則)は多分認識出来ていない、この調子では。これだと医療事故がよく発生するのは何となく然もありなんと感じる。

 

直後にフルオロウラシル急速投薬。9分ほどで入れるらしい。620mg。250mg/5mlだから12.4ml。それ大塚糖液5% 50mlと合わせて 62.4mlを時間を500で投薬。それよりも早く終わった感じ。

次は点滴チューブに残った高濃度の薬液を生理食塩水で流し出す。

その後、フルオロウラシル低濃度46時間。

 

その後も特に副作用は感じず。少し変なげっぷが出てこれが悪化すると悪心や吐き気になるんだろうが大丈夫。途中チリチリとした感覚が手足先に感じるが子供の時によく感じた位の感覚で、驚くこともない。

 

ただし、夜は睡眠剤を飲んでも寝られない。 

結局1時間も寝ていない。