こんにちは、

6月30日は長崎では

平年より遅い梅雨の

真っただ中。

 

 

今朝は全くの朝寝坊で

青空太極拳には行けないばかりか、

普段なら30分くらいは余裕を見て、

 

 

心を落ち着けて生徒さんが来るのを待つ

教室の稽古にもギリギリになってしまい、

生徒さんが先に来ているという始末でした。

 

 

当然心は落ち着かず、浮足立っていた。

稽古は本来ならカリキュラムだけで

90分使うのですが、

 

 

私の教室では、生徒さんの希望もあり、

カリキュラムの前に、

練功十八法という

中国の健康体操をやっています。

 

 

浮足立っている私は

その練功十八法では

全く姿勢が安定しませんでした。

 

 

動揺していることを実感した私は、

カリキュラムの最初に行う立禅で

心を静めることにしたのです。

 

 

立禅は素晴らしい呼吸法であり

瞑想であることを実感しました。

 

 

5分ほど立禅をしたところで、

すっかり落ち着きました。

 

 

今日ほどカリキュラムの

すばらしさを実感した日は

ありませんでした。

 

 

その後は、

スワイショウで身体をゆるめ、

八段錦と太極拳を

いつもの通りできました。

 

今日の座学は、

楊名時太極拳の由来について、

『太極拳のゆとり』から

「太極拳は無限の芸術」を学習しました。

 

 

それによると、

楊名時先生は物心ついたころから、

楊家に伝わる太極拳を

武術としての学んでいました。

 

 

その武術としての太極拳を

健康本位の舞踊体操に再編成し、

楊名時流の考えが加わった

独特の太極拳だから、

楊名時太極拳としたとのことでした。

 

 

太極拳の太極とは

『易経』の中にある

太極からとられいます。

 

太極は無限、

すなわち大宇宙のことです。

拳は技とか術ということ。

 

 

小宇宙である人間が

大宇宙へ帰る心技一体の技です。

 

 

太極拳が現在および将来にわたって

存在理由を持つためには、

哲学、理念をもたなくてはなりません。

 

柔道の嘉納治五郎先生が言われた

「自他共栄」これが太極拳の理念です。

 

 

他の幸福を願うことによって、

自らも幸福になるという心です

 

 

(だから、私は24式太極拳の

十字手を行う前に、

「半分はみなさんの健康と幸福を願い、

半分は自分の健康と幸せを

願って行いましょう」

というようにしています)。

 

 

その点、宗教的で禅に近いですね。

 

 

太極拳の基本は、

身体を柔らかくまろやかに、

ゆっくり動かすこと

 

 

(事実、簡化太極拳24式が

5,6分で行うところ、

楊名時太極拳24式では

12分くらいかけて行います)。

 

 

そのねらいは意識、呼吸、動きが

三位一体となって、

経絡に沿って気血の流れを

よくするにあります。

 

 

最初に“八段錦”という

簡単な柔軟体操を行い、

身体の関節をほぐします。

これだけでも相当効果がありますよ

 

 

(この効果は私自身体感しており、

月に1回、オンラインで

「お手軽気功zoomで八段錦」を

行っているので、

ぜひ参加してみてください)。

 

 

この楊名時太極拳は、

老若男女だれでもできるものです。

 

 

楊名時先生は

 

 

「私は技に優劣はつけません。

一人一人が身体を柔らかく、

心を柔らかく、姿勢を正しくするよう

心がけてくださればいいのです。」

 

 

という考えを持っていたので、

楊名時太極拳では競技は行わないのです。

 

 

そして太極拳がもたらすものとして

身体の病気とそのもととなる心の病気の

両方を治すことができるということです。

 

 

もう一つの面が、

太極拳は芸術であるということ。

芸術は無限です。

ここに太極拳の尽きることのない

魅力があるのです。

 

 

そして、今日の稽古のポイントは、

沈肩垂肘と身正体鬆でした。

 

 

◎沈肩垂肘

「沈肩」は、肩の力を抜き、

自然に下がった状態にすること。

 

 

「垂肘」は、肘をゆるめて垂らすこと。

これができていないと、身体の力が浮つき、

気も上がり、全身に力が入らない

状態になります。

 

 

これができてこそ「上虚下実」の

「上虚」つまり上半身の力を

抜くことができるのです。

 

 

これは、気血の面からも、

からだのどこか一か所に

余分な力が入ると、

その流れを妨げることになるので、

避けなくてはならないのです。

 

 

◎身正体鬆

「身正」は姿勢を正しくすること。

 

 

「体鬆」は、体をゆるめるということ。

単にリラックスるということではなく、

緊張の解けた余裕のある、

のびのびとした状態のことをいいます。

 

 

つまり、リラックスした正しい姿勢で、

深く長い呼吸をし、

ゆったりと動くことが大切なのです。

 

 

稽古のポイントを説明した後で、

部分稽古を行いました。

 

 

私たちが稽古しているのは、

楊名時八段錦・太極拳なので、

部分稽古では、

八段錦と太極拳について

解説しています。

 

 

今回は、

八段錦は

第二段錦を、

 

 

太極拳24式は、

03式 白鶴亮翅

04式 搂膝拗步

の稽古を行いました。

 

 

第二段錦は「左右開弓似射雕」といいます。

鷹を射るように胸を開く動作です。

 

 

大切なのは、この時腕に力入れないこと。

内側から胸を開くようにするのです。

 

 

そうすることで

心臓や肺の周辺の筋肉が鍛えられ、

心肺機能が強化されるのです。

深い呼吸もしやすくなるのです。

 

 

ゆったりと身体を動かし、

深い呼吸をすることで、

酸素を充分に体の中に誘い、

 

 

血液の循環をよくして、

体中の老廃物を取り去り、

栄養が隈なくいきわたるようにすると、

だるさや疲れも感じなくなるのです。

 

 

※八段錦については、

毎月無料の体験会を行っており、

公式LINEでお知らせしています。

 

 

 

03式 白鶴亮翅では、

「虚歩」の練習をします。

 

 

「虚歩」とは、後ろ足に体重をのせ、

前足には体重をかけない姿勢のことです。

 

 

04式 搂膝拗步の「搂膝」とは膝を払うこと。

「拗步」とは、前に出た足と腕が

左右逆になる体勢のことをいいます。

 

 

このとき前に出す手の形は「掌」といい、

手を開き、指を自然に伸ばした形で、

手のひらや指の関節、手首などに

少しゆとりが必要となります。

 

 

ふだんは、部分稽古を終えた後、

もう一度24式太極拳を行うのですが、

時間の関係で24式は省略し、

 

 

八段錦の後半

第五段錦から第八段錦を行い、

立禅、スワイショウで

稽古を終わりました。

 

 

今日はベテランの生徒さんばかりで、

安定した気の和(輪)が

教室中に満ち満ちて、

気持ちよく稽古をすることができました。