久しぶりに東北を走ろうか、なんて思いつきツーリングマップルを買った。晩酌しながら地図を広げてあれこれ見てみる時間も楽しい。

 

最近のツーリングはスマホナビに目的地を入れれば途中で迷うこともなく到着できるが、以前はこの地図をタンクバックに入れて交差点の道路標識を見ながら走ったものだ。日が暮れて道に迷ってしまうと、暗くて地図も見えないので、懐中電灯などもバックに忍ばせていた。スマホがない時代はずいぶんと心細い思いをしたものだった。今夜泊まるテント場やビジネスホテルを探すのも一苦労の行き当たりばったりツーリング。ようやく夜露をしのげる寝場所を確保し、温泉などに浸かって飲むビールは今より格別にうまかった。

 

 

今は便利で快適なツーリングをだれもが楽しめる、いい時代になったけれど、ずいぶんと味気なく、のっぺりとしたツーリングになってしまったこともまた事実。自分が走った道が何街道なのか、何峠なのかもわからずにツーリングが終わってしまう情けなさ。若い世代はそんなこと言っても一体何のことなのか想像すらできないだろうなあ。

 

かといってスマホを見ないでツーリングができるかというと、そんな自信はほとんどない。それほど便利で小憎らしいのがスマホなのだ。