最近新規の生徒さん、既存の生徒さんへのテキストを購入する機会がありました。
これを機に講師目線でどのようにテキストを購入しているのかご紹介いたします。
塾や家庭教師によって選び方は違いますが、今回は家庭教師における選び方です。
まず教える人数によって集団塾、個別指導、家庭教師と大きく3つの形態があります。
私はどれも生徒の理解が至らない”穴”を埋める仕事だと思っております。(個別指導だけ経験が無いのでわかっておりません^^;)
集団塾>個別指導>家庭教師の順にその大きな穴をケアできる。
集団塾なら各教科の大きな穴(基本的な知識)を指導できるが、家庭教師では時間の都合上1~2教科の指導が限界です。週5とかでもない限り、家庭教師で3教科以上の大きな穴を埋めることは難しいです。
一方、集団塾ではケアできない小さな穴(細かい指導や特定の単元の指導)は家庭教師の方が埋めやすいです。
このように塾や家庭教師など教える方法により、穴の埋め方を考える必要があります。
そして家庭教師では、講師がその生徒さんの弱点を知る作業からスタートします。
この教科のこの部分が苦手だから教えて~と言われたら、もちろんそれは指導します。
が、生徒さんが気付いていない穴を見つけ、埋める、これも家庭教師の仕事になります。
さて前置きが長くなりましたが、早速選び方について書きます。
今回は中学3年生向けのテキストです。
①薄いテキスト
中学3年生は繰り返し問題を解き、量をこなす必要があります。この量をこなすために必要なものは”モチベーション”です。テキストが薄いとそのテキストを1周終え易く、達成感が生まれます。この達成感こそが2~3周目や次のテキストへのモチベーションにつながります。また”テキスト薄い=情報少ない”というデメリットはありますが、裏を返せば基本情報ばかりが記載されていることになります。生徒さんは基本的にわからない所以外は「大丈夫」と言います。本当に大丈夫なのか穴を見つけるという目的でも非常に有効です。
私が中3生の受験対策をする際はもれなく薄いテキストからやらせ、ある程度慣れたら厚めのテキストをやらせています。
10日で終わる!というわかりやすさが良いです。
秀英予備校の英語長文は、長文対策のスタートとしてはとても優秀です。
②絵柄や説明が少ない、見やすいテキスト
そのテキストが何の目的で使うのかを理解して買う必要があります。インプット(情報を取り入れる)、アウトプット(問題を解く)あるいはその中間なのか。私が選ぶのはアウトプットに特化したテキストです。必要な情報は私が説明するので、余計なインプットが入っていないテキストの方が指導しやすいです。独学で勉強するのであれば、インプットも取り入れたテキストを購入する方が良いですね!
そして見やすいかどうかもとても大切です。要は生徒さんが果たしてそのテキストやってくれるのか。自分自身このテキストの問題を解くと考えたら果たしてやりたと思うのか。生徒さんの気持ちになって考えることはとても大切ですね。
説明があり、比較的自学向けです。
説明がほぼなく、問題のみです。
公立校の実線向けです。
③最新のテキスト
教科書は4年に1度更新されます。
数学や英語は高校の内容が降りてきたり、順番が入れ替わったり。理科社会は特定の用語が死語になったりします。
情報が古いテキストは誤った知識の学習となり、正しい勉強の妨げとなるのです。
英語の長文などは比較的古くても影響は少ないですが、理科社会は特に最新のテキストを選ぶ必要があります。
書店には基本的に最新版が置いてあるのであまり問題ありませんが、~さんがオススメだからとAmazonやメルカリの中古で購入するときは気を付けないといけません。
④講師自身が所有しているテキスト
講師にとってテキストは商売道具。基本的にはどんな問題にも即答と言いたいところですが、長年指導していても「あれ?これどうするんだっけ...」といった事故はあります。そのような事故を防ぐのもそうですが、何より使い慣れたテキストの方が指導しやすいですね。自信もって指導できる授業は魅力的に見え、わかりやすい授業へとつながります。
また講師の予習時間やテキスト代を浮かせることができるのも大きいですね。
とはいえ、まずは私が所有するテキスト以外でもっと使いやすいものは無いかなと書店へ足を運ばせます。
同じテキストばかり使っては自分の指導の幅も広がりませんからね。
「これいいじゃん!」と思ったテキストに出会うと興奮して衝動買いしてしまいます(笑)
他にも生徒さんの状況に合わせて選定しています。
大事なのは”生徒さんが諦めずやってくれるか”ということですね。
与えたら何でもやってくれるとは思っておりません。
中学生にもなってくると”なぜこれをやるのか”と疑問に思う子も出てきます。
そのテキストを使う目的が生徒さんにも伝わると、”今はこれをやればいいんだ!”という気持ちになり勉強に取り組みやすくなるかと思います。