子育てに奮闘している。奮闘と言えば聞こえが良いが、実際は奇天烈な行動しかしない幼児2人に翻弄され、怒ったり呆れたり虚無ったり、理想のパパとは程遠い日々だ。
子供の愛着というのは親だから得られるものではなく、自分に安心を与えてくれる特定の誰かに抱くものらしいと子育て系のYouTubeチャンネルで見た。
「故郷」という概念にも同じことが言えるなと思う。自分は生まれ故郷にはあまり良い思い出がないし、地元の友達も殆どいないので、故郷と呼べる街は無いけど、なぜか新潟市古町には第二の故郷に近い感情を抱いている。
新潟市古町のご当地アイドル「RYUTist」のおかげである。
RYUTistは2024年12月1日のラストライブをもって、3人のメンバー全員卒業という形で無期限の活動休止となった。デビューが2011年だそうなので、13年というアイドルとしては大変な長寿を全うしたと思う。自分は大した頻度では無いものの、2016年頃から何だかんだ今まで通わせて頂いた。
RYUTistの特徴は「新潟県」ではなく「新潟市古町」というピンポイントを拠点にしているところ。毎週のように古町の拠点「showcase」でライブがあり、年に2回「古町どんどん」という商店街の大きな催しにも出演する。
歌詞やMVにも要素が判断に盛り込まれ、一度でも古町に行った人なら必ず、ライブハウスに向かう途中のあの橋や小路、商店街のアーケードなどの情景が曲を聴くだけで浮かんでくる。いわば町全体が聖地状態なので、新潟に行く時のワクワク感って特別なものがあったし、自分にとって古町=RYUTistみたいなものだ。
古町という街は知れば知るほど深みがあるところで、歴史とユースカルチャーが混在する面白い街だと思う。ヲタクには沢山上手い飯屋に連れて行ってもらって、無茶な飲みも沢山したが(むしろ無茶しかしていないが)、良い思い出ばかりだ。
これまで沢山アイドルを観てきたが、RYUTistはとにかく異質なアイドルだった。例えるなら、ピカピカのタワマンではなく、家具の細部までこだわったこぢんまりした一軒家のようなみたいな雰囲気の漂うグループだ。とにかく細部へのこだわりが尋常ではない。
「ひとつひとつのステージを大切に」のコンセプトもそうだし、MCでの「さん」付けルールや(今はなくなった)ご当地キャラ紹介、ラリリレル縛りなど、枚挙にいとまがない。(以前出演時間15分のTokyoIdolFestivalで1曲分の時間を使ってゆるキャラ案内をした時は笑ってしまった)
狂気じみたこだわりから産み出される楽曲とパフォーマンスは尋常ならざるクオリティで、5枚のアルバムいずれも異なるアプローチながら最上級のコンセプトアルバムに仕上がっていると思うので、音楽好きは是非聴いてほしい。間違いなく自分にとってのマスターピースだ。
そしてその楽曲的クオリティがありながら、音楽的消費対象としてではなく、その人柄の魅力でファンに愛され続けたメンバーは正真正銘のアイドルであった。
優しくてしっかり者のむうたん、物凄い感性と情熱を内に秘めたともちぃ、天才肌のようでいて実は努力の哲人の実郁ちゃん。同じクラスにいたら話さなさそうな3人なのに、RYUTistとしてこのメンバー以外想像できない、ミラクルな関係性だったと思う。(もちろん卒業した乃々子さんも含め)
一方メンバーに引き寄せられた(と書くと虫みたいだけど)ヲタクはというと、清く正しいRYUTistの何を見ているのかという(良い意味で)強烈な面々だったが、もう現場で集まる事も無いのかと思うとこれもまた寂しい限りだ。
メンバーは13年間尋常ならざる努力を続けてきたと思うので、少し羽を伸ばしてほしいし、どんな道を選んでもきっと最後には成功できる人たちだろう。ヲタクは自分の身だけ心配すれば良い。くれぐれも健康でいて下さい。
今日は2024年12月8日のラストFCイベント。ライブ後、「RYUTistのグループカラーは白。今日は初雪だけど、雪を見るたびにRYUTistを思い出してほしい」とスタッフさんより御礼の挨拶があった。雪だけでなく、きっと人それぞれに流れる信濃川を、日本海に沈む夕日を、曇りない青空を見るたび思い出すのだろう。
とまあ、東京への帰りの新幹線でまとまらないまま書き連ねてしまったけど、急いで自分の中で整理をつける必要も無いし、明日からの忙しない日常に没頭しつつ、ベストアルバムを楽しみに待つ事にします。
これだけは言える事。RYUTistは本当に最高のアイドルでした。
ありがとね、ほんとにね。
