こんばんわ。税理士の細川ひろみです。

 

今日は、事業承継税制についての研修でした。

 

平成30年に新たに創設された特例措置の事業承継税制について学んできました。

 
中小企業の株を後継者に引き継ごうと考えているのなら、できるだけ早い時期に計画的に
渡すことを考えるべきです。
 
事業承継税制(特例措置)は
平成30年1月1日から平成39年12月31日までの間に、先代の経営者からの相続または遺贈により
株式等を取得した場合に、その株式が都道県知事の認定を受けた非上場会社の株であれば、
その株式等に係る相続税・贈与税の納税が猶予又は免除されるという制度です。
 
いままでの事業承継税制(一般措置)とどこが違うのかというと、今までは株式総数の2/3とか、
課税価格の80%までしか猶予されませんでしたが、今回の特例措置で全額が猶予されることに
なりました。
特例措置を受ける場合には、特例承継計画を作成し、認定経営革新等支援機関の所見を記載
して、平成35年3月31日までに都道府県知事に提出、確認を受ける必要があります。
 
逆に言うと、これだけ提出しておけば、株にかかる相続税・贈与税が猶予または免除されるの
ですから、使わない手はないでしょう。
さらに、後継者が死亡した場合には猶予されていた税額の納税を免除してもらえます。申告期限から
5年間は株を継続して保有していなければならず、後継者が代表者でなければいけない等の決まり
はあります。
 
これらの決まりを守れなかった場合には、その時点で猶予されていた相続税の全額を納付することになります。さらに猶予されていた税金の延滞金のようなものも一緒に納付します。
 
後継者が株式等の全部または一部を譲渡した場合には、譲渡した部分に対応する猶予税額を
延滞金みたいなものと一緒に納付します。
 
 
 
中小企業の株を後継者に渡そうと考えている経営者の方は、平成35年3月31日までに、都道府県知事に特例承継計画書の提出をして、39年12月31日までに株の贈与をする。
贈与をしたら贈与税の申告書を提出して、その後5年間は、年1回都道府県庁に年次報告書を提出。税務署にも年1回継続届出書を提出することになります。
 
6年目以降は、3年に一回税務署に継続届出書を提出という流れです。
 
納税を猶予または免除してもらうために、毎年一回は報告しなくてはいけないので、
手間はかかりますが、資金負担なしに次世代に株を移せるという大きなメリットがあるので、
そのくらいは仕方ありません。
 
この制度をうまく利用すれば、後継者にスムーズに株の移動ができますので、
ぜひ検討してみてください。