「晴走雨読」 廣丸豪の読書日記

「晴走雨読」 廣丸豪の読書日記

廣丸豪(ひろまる・ごう)と言います。日々の読書生活や、気に入った本の感想などを気ままに綴ります。

なんと5冊のみ、ここ10数年の最低記録更新したと思います。

読破挑戦中の「新潮文庫の100冊」から2冊、最近の新刊から3冊。

◆幻の光 (宮本 輝)
表題作の他、「夜桜」「こうもり」「寝台車」、過去の死の記憶に纏わる短編が4作。特に何か事件が起こるわけでもない、淡々とした心理描写、ああ、純文学だなーと思いながら、惹き込まれて読みました。

◆蟹工船・党生活者 (小林 多喜二)
今年の新潮文庫の100冊、中学校の国語の時間とかでたびたび聞いていた本。この歳になってようやく読んだ。なるほど、教科書に載るだけのことはある、こういう時代だったんだ!

◆Nの逸脱 (夏木志朗)
うーん、これは、カテゴリーとしてはミステリーなのだろうか?

短編が3編、爬虫類専門店でバイトする青年とその店長、生徒からハラスメントを受け逆襲する高校の先生、占い師とその妙な弟子、変で理解しがたい登場人物、癖になりそうなお話。

 

◆虚の伽藍(月村了衛)

月村さんの作品だから、血しぶきが飛び散るような話かなと思ったが、さすがに京都の大寺院を舞台にしたお話なのでそんなことはなかった。でも、当たらずとも遠からずなのかな。時はバブル期、仏教界を正そうと自ら陰謀渦巻く魑魅魍魎の世界に飛び込んだ主人公、いつの間にかミイラ取りがミイラになり、勝利者になったところで、、、みたいな。

◆恋とか愛とかやさしさなら(一穂ミチ)
スカートの中を盗撮、順風満帆の男に魔が差した?そして人生が一転する。痴漢とか盗撮とか、確かに絶対ダメだけど、苛烈な社会的制裁、そこまでのことなのかなーとちょっと思わないでもない。