善と悪、二極化の弊害
勧善懲悪は創作における表現方法のひとつとしては有効だが、何を以って善悪の区別を判断するかという根本的な矛盾を抱えている。
OVA『銀河英雄伝説』の場合も銀河帝国と自由惑星同盟の対立という二極化された世界観を描いているが、決して勧善懲悪ではない。光には必ず影が寄り添うもの。物語は、常に二面性を描いてこそ面白い。
ファンタジーを標榜しながら、その代名詞的存在である「モンスター」を登場させないというのが今回の創作におけるテーマのひとつ。ともすればモンスター狩りに終始しかねない事態は是が非でも避けねばなるまい。
しかしながら、モンスターを排除するからにはその代替となる存在が必要となる。
それを、天使と悪魔に模することを検討している。天使はともかく、悪魔というのは基本的に例外なくモンスターの領域に属するものだと思われるが、私にとっては天使も「堕天使」という存在に転じる可能性もあり、必ずしも善というわけではない。
むしろ、天使に秘められた悪の側面を描くことで、勧善懲悪を超えた二面性の表現という目的はおのずと達せられるはずだ。私が思い描いている人類最後の砦に迫る「異形の軍勢」の正体は、他ならぬ天使の変わり果てた姿なのだから。
冒険王の大秘宝
男ならば、誰もが宝探しに憧れるものだ。
まして、海賊の秘宝ともなれば、おとぎ話でしか存在し得ない夢のような話。そう言えば、永遠の名作『グーニーズ』も伝説の海賊「片目のウィリー」が遺した宝の地図が冒険のきっかけだった。
未だ完結の気配を見せない『ワンピース』も、大海賊ゴールド・ロジャーの宝を巡って海賊たちが覇権を争う「大海賊時代」を描いている。また、名優ジョニー・デップが海賊ジャック・スパロウを演じて絶大な人気を誇る『パイレーツ・オブ・カリビアン』の大ヒットも記憶に新しい。
今回、オリジナルのファンタジー世界を創作するにあたり、その舞台である「新世界」のテーマとして掲げたかったのが、秘宝を巡る陰謀劇だった。
過去と現在、未来の接点
神話の舞台は本当に実在するのか。
創世記に描かれたノアの箱舟が流れ着いたとされるアララト山は、(真偽は別として)トルコの東端に実在する。失われたアトランティス大陸がどこにあったのかは未だに議論が分かれるところだし、日本でも邪馬台国の所在地を巡って論争が繰り広げられて久しい。
このように、伝説の地探しはいつの時代でも非常に魅力的な題材である。
OVA版『ジャイアント・ロボ』においても、事件の鍵を握る惨劇の舞台であった旧バシュタールが聖アーバーエーと名を変えて登場している。歴史は繰り返すとよく言われるが、過去と現在を繋ぐ役割としては最高の舞台設定であり、物語と世界観の中心軸としては理想的な形だと思う。
オリジナルの世界観を創作する本企画でも、神話の中心的な場所となる「バベルの塔」を軸にして、過去と未来とを繋ぐことを意図している。既存の高度文明が崩壊し、冒険者が活躍する新時代において、バベルの塔の探索は彼らが目指すべき最高の目標であろうし、その謎を解き明かすのがメイン・ストーリーになるのは間違いない。
もちろん、そのためには肝心の「バベルの塔」の設定を細部までしっかりと創作しなければならず、またその道は果てしなく遠そうだ。一応、現段階では漠然としたイメージを持っている程度で、確実なものは何も決まっていない。全てはこれからの作業になる。
そこで、せっかくブログを利用しているのだから、読者の皆様から広くアイディアを募集したいと考えております。双方向の創作活動というのが当初からの趣旨だったので、反響が無ければ自然消滅という末路を辿ることになります。別に、皆様からのコメント等が無くても本人のモチベーションが保たれている間は続くとは思いますが……。
もうひとつの世界
死後の世界とか、精霊の住まう別の世界。ファンタジーの場合、時としてそのようなパラレル・ワールドを内包することがある。
また、現実世界の住人が何らかの出来事がきっかけで異世界へと飛ばされるというのも、ファンタジーの常套手段としてよく用いられる。
NHKでアニメ化された2つの作品、『精霊の守り人』と『十二国記』が、それぞれの事例の代表的なサンプル。
単体のファンタジー世界を創作する今回は、パラレル・ワールドの要素を取り入れる予定は無い。それをやろうとするなら、それ自体がメイン・テーマにならざるを得ず、必然的に主旨が違ってくるからだ。もちろん、可能性としてのパラレル・ワールドは否定しない(例えば、死後の世界が本当にあるかもしれないという迷信など)が、本格的に扱うことは考えない。
というのも、現実世界と異世界との間を自由に行き来できるというゲーム的なパターンが好きじゃないし、そもそも別の意味での「パラレル・ワールド」を想定しているというのもある。
時間軸を同じくして同時に存在する世界をパラレル・ワールドというが、時間軸(というよりは、年代軸といったほうがより正確だが)をずらしてしまえば同一世界においても複数の世界観を同居させることが可能になる。
もちろん、「過去」と「現在」における原理原則は不変であるが、現在から見た過去の出来事の解釈の相違が物語を生む、というのが今回の創作における最大の主旨となっている。
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異世界、その基盤は
いったい、何を以ってそれを「ファンタジー」と呼ぶのか。定義はどこまでも自由だし、正解は無い。
手法として、神話そのものを物語化してしまうのも面白い。しかし、個人的に「神」と呼ばれる存在がある程度の実体を伴って登場する舞台は好みではない。神の存在が登場人物と密接な関わりを持つ作品に、1995年公開のアニメ映画『レジェンド・オブ・クリスタニア』がある。
この作品は、神獣という設定そのものが良かった。クリスタニアで採用されているシステムは、元来はテーブルトークRPG用の設定であるため、よりゲーム的な演出となっている。曖昧な部分を可能な限りルール化し、ある程度の数値化をしなければならないので融通が利きづらいという欠点もある。
オリジナルの世界観を構築するにあたり、やはり一種の基準というか、指針となるべき制約があったほうが良いと思うので書いておきたい。まず、舞台設定の最大単位として「地球」を想定し、宇宙空間を舞台として利用しない。また、ファンタジー世界というと、どうしてもモンスター狩りや冒険がメインというイメージがあるが、原則として文明崩壊後の世界には人類のみが辛うじて生き残っている設定にしたいと考えている。
ただ、その前に滅亡神話を創作したいと考えているので、今のところは人間以外もOKな方向で。
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終末思想、滅亡神話
高度な文明社会が崩壊した後の物語を書きたい、と思っている。このモチーフの代名詞は『風の谷のナウシカ』だが、私が想定しているのは『風の大陸』という作品。
もっとも、私自身は28巻まで続いた本編は読破しておらず、その外伝的なシリーズである『巡検使カルナー』派。そして、映画化されたアニメ版『風の大陸』のアゼク・シストラ編が好きだった。
滅びの美学ではないが、やがて消え行くものの儚さに心惹かれるのは人の性だろうと思う。ナウシカで描かれた「火の七日間」ほどの鮮烈さは必要ないとしても、産業文明の崩壊というテーマは是非とも継承したい。
それは同時に、その後の新世界における「創世神話」としての滅亡譚でもあるはずだ。というのも、メイン・ストーリーとしての軸を、創世記に登場する「バベルの塔」に置きたいと考えているから。ちなみに、私にとってバベルの塔と聞いて最初に思い浮かべるのは『天空の城ラピュタ』だったりする。
現時点で想定しているイメージは、映画版『ロード・オブ・ザ・リング』における壮麗な戦闘シーン。人類最後の砦である「バベルの塔」に押し寄せる無数の異形──という構図だ。そこに、ギリシャ神話の「パンドラの箱」を絡められたら理想的だ。
箱の底に残された「希望」が世界を救い、「バベルの塔」が「ノアの箱舟」へと昇華する、みたいな。
ここまで書いて、世界観の方向性を確定するために「終末神話」をある程度作ってしまったほうがいいかもしれないと感じたので、次回は、さらに一歩踏み込んだ話をしたいと思います。
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風の谷、天空の城
風の谷と天空の城が共存する(ような)世界を創作してみたいなぁと考えております。
別に、ガンシップやメーヴェ、巨神兵やロボット兵などが登場するわけではありませんが、失われた文明というモチーフを継承し、新たなファンタジー・ワールドとして作ってみたい。
言うまでも無く、本企画は巨匠・宮崎駿監督に対するリスペクトに端を発するものではありますが、必ずしもその亜流に留まることを良しとしません。そのため、宮崎作品以外のあらゆるファンタジー作品からも積極的にイメージを取り込んでいきます。
こういった手法について、オリジナリティに欠けるという批判もあると思われますが、当方としては商業的発展を一切考慮しておりませんし、当然ながら既存作品の設定をそのまま使用することも想定しておりません。
ただ、ブログという形式を利用する以上、公衆に対して情報を発信するわけで、このことについて批判があった場合には速やかに更新を停止します。それを踏まえた上で、双方向の創作活動が実現するかどうか、試してみたいという希望があり、今回ブログを活用させていただくことにしました。
基本的に、このブログ上で成立した全ての設定は、シェアード・ワールドとして読者の皆様と共有することを原則としています。もし、共感していただける方がいらっしゃれば、何らかの形でアクションを起こしていただければ嬉しく思います。
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