10/15(日)阪神甲子園球場で行われたクライマックスシリーズ・ファーストステージ第2戦の開催判断について、10/18(水)にマツダスタジアムで行われた同・ファイナルステージ第1戦が5回終了時点でコールドゲームとなったことと比較され、基準が曖昧であるなど多くの批判が出ています。

 

 セ・リーグ統括の杵渕(きねふち)氏は、15日の試合強行について、「通常の公式戦であれば、中止したかもしれないが、クライマックスでは1試合の持つ意味合いが違う。ベストな判断であった。試合を始めたら、9回までやりきるのが前提」という趣旨のコメントを発表しました。

 

 ところが、昨日の試合では5回裏終了のタイミングで中断し、コールドゲームの判断となり、広島の勝利が決まりました。

 

 昨日の球審で責任審判であった佐々木昌信審判員は、「甲子園の強行について、それはそれです。今日は広島なので、関係ない」というコメントを出して、それがまた甲子園での強行実施に疑問を持っている人を刺激しています。

 

 しかし、DeNAのラミレス監督は「天気とは論議できない。広島が点を取った後に、雨が強くなっただけ」とサバサバしたコメントを残し、勝負師として割り切ることも必要だと示してくれたように思います。

 

 ちなみに佐々木審判員が言った「それはそれ」というのは、甲子園では担当した審判員が試合をできると判断した。それについて、担当していない私が発言することではない。

 だから、「それはそれ」というようになったのではないかというのが、私の考察です。

 

 これは私の推測ですが、NPBおよびセ・リーグ事務局側から甲子園での試合を担当した審判団に対して、いろんな意味でのプレッシャーがかかっていて、

「本音では止めたいけど、そうもいかないんだよな」という責任審判を務めていた笠原審判員の心境もあったのではないかと思います。

 

 だからこそ、イニング毎にグラウンド整備をかけて、他の内野の審判員も出てきた投手にしきりに声かけをしていたのだと思います。

 

 試合が始まってからの、試合続行の判断は最終的に審判団にあるとされていますが、そこに至るまでのプロセスに問題があったのであれば、そこを是正することが必要であって、審判団に責任を負わせるのはナンセンスであると考えます。

 

 18日のマツダスタジアムでの試合では責任審判を務めていたのは、佐々木審判員ですが、キャリアの一番長いレフトの外野審判を務めていた森健次郎審判員がグラウンド整備の方への指示や最終的には6人集まっての協議をして、「よし、やめよう」と中継を見ていて、口の動きで確認が出来ました。

 ラミレス監督への説明に向かったのも森審判員であり、コールドゲームにする最終ジャッジメントをしたのは状況を見ている限り、森審判員であったと思います。

 

 では、15日の試合でも6人の出場審判員が集まってどうするか確認をしていたかというと、正直そのような雰囲気になる場面はなかったように思います。

 笠原審判員は森審判員と同期のベテラン審判員で、そのような判断が取れない審判員ではないと思います。

 とすると、やはり何か試合開催決定に至るプロセスおよび試合続行の是非について何らかの力が働いたと推測せざるを得ないのです。

 

 よくこのような場合に、現場にいる審判員や審判団が批判の矢面に立たされるのですが、今回に関してはNPBとして正式に見解を出す必要がある事案であると考えます。

 そうしなければ、あの強行試合に関わった審判員の方たちやタイガースとベイスターズの選手や観戦していたファンの方たちも納得できないのではないでしょうか。

 

 また、必死に試合が何とかできる環境を整備された阪神園芸の方たちにも失礼であると考えます。

 

 さて、今回の試合強行に関する考えは以上として、そもそものクライマックスシリーズ開催の是非について、私見を述べたいと思います。

 

 その前にMLBのポストシーズンについて説明しておきます。

 アメリカン・リーグとナショナル・リーグ併せて30球団が、東地区・中地区・西地区の成績トップの3チーム。

そして、各リーグの地区順位2位の中で勝率の高い2チーム間で「ワイルドカードチャレンジマッチ」を開催。

その勝利チームを「ワイルドカード」として選出し、各リーグ4チームでリーグチャンピオンシップ、その先のワールドシリーズへと進出ができるように整合性が取れるようにルールが統一されています。

 

 かたや、日本のプロ野球のポストシーズンはどうでしょうか。

 まず、セントラル・リーグとパシフィック・リーグの各2位と3位のチームが、ファーストステージで2勝先取の3試合制でゲームを行ない、その勝利チームがリーグチャンピオンとなったチームにファイナルステージで闘いを挑みます。

 この際、リーグチャンピオンチームには1勝のアドバンテージが与えられ、6試合制で4勝先取したチームがリーグの代表として、日本シリーズに出場となります。


しかし、CS開催におけるゲーム差要件、CS進出可能要件の3位までに入ればよく、シーズンの通算成績が勝ち越していなければならないといった要件は設けられていません。


2016年シーズンは横浜DeNAが、シーズン負け越しで3位となり、CSに進出しました。


 私は個人的には、日本のプロ野球においてポストシーズンを設けることは基本的に反対です。

 MLBのように多くの球団がある訳でもないので、単純にリーグチャンピオン同士が日本シリーズを行なうのがベストだと考えています。

 それでも興行収入などの問題から、実施をしたいというのであれば、次のように条件を設けることを提案したいと思います。

 

1.優勝チームと2位チームのゲーム差が5ゲーム以上、2位チームと3位チームのゲーム差が3ゲーム以上ついた場合は、下位チームはポストシーズンへの出場をすることが出来ない。

 

2.仮に1の条件を満たしていても、2位もしくは3位チームで勝率5割を確保していないチームについては、ポストシーズンへの出場を認めない。

 

3.3位チームについて同率で並んだチームが複数ある場合は、ワンマッチプレーオフを実施し、その勝利チームをポストシーズン出場チームとする。(ただし、1と2の条件をクリアしていることを前提とする)

 

4.1の条件内で2位チームが複数あった場合は、現行のクライマックスシリーズファーストステージに準じ、3試合制(2勝先取)のファイナルステージ進出チームを決定する大会を開催する。(なお、その年の直接対決で勝ち越しているチームのホーム球場で開催する)

 

5.1位チームが同率で並んだ場合は、7試合制(4勝先取)のリーグチャンピオン決定シリーズを開催する。(なお、その年の直接対決で勝ち越しているチームのホーム球場で開催する日数を4試合とし、残りの3試合をもう一方のチームのホーム球場での実施とする)

※5の項目に該当する場合は、選手の負担軽減の観点から現行のファーストステージの実施をせず、リーグチャンピオン決定シリーズに勝ったチームがそのまま日本シリーズへの出場をすることができることとする。

 

6.1及び2の条件をクリアし、クライマックスシリーズ実施の際はファイナルステージ開催時の1位チームへの1勝のアドバンテージは継続し、5試合制で開催し、3勝先取のタイミングで日本シリーズ進出決定とする。

 

7.屋外球場で実施の際も考慮し、ファーストステージとファイナルステージの間に予備日を確保し、悪天候などで日程の確保が難しい場合、ダブルヘッダーでの試合開催を認める。

※それでも、悪天候などで試合の開催が不可能な場合は、順位上位チーム(同率の場合は、公式戦での直接対決の対戦成績が勝ち越しているチーム)を次のステージへの進出チームとする。

 

 いかがでしょうか?

 

 現行の単純な順位だけではなく、ゲーム差を基準とすることで、クライマックスシリーズをするかどうか判断すればよいのではないかと思います。

 

 それから悪天候時の開催実施に際しても、改めて明文化して、成績上位チームを優先することをはっきりとさせる必要があると感じています。

 

 それであれば、今年のような甲子園球場での強行開催も防げると考えます。

 NPBとしてはCSを開催することで興行収入を得たいなどの事情もあるのでしょうが、CSを開催するのであれば、「上位チーム優先」の原則は大切です。

 ファイナルステージで優勝チームにアドバンテージの1勝を付与しているのも、それがあるからに他なりません。

 そうしなければ、公式戦を何のために戦ってきたのかその意義さえ問われかねません。

 

 今年はセパともに首位と2位が10ゲーム以上離れており、私が提案する規定がもしあったとすれば、ぶっちぎりで優勝をしたカープとホークスの日本シリーズが迷いなく挙行できます。

 

 CSは原則不要。

 それでもやるなら、ルール策定を細かくやっておかないと変な話、首位から10ゲーム差以上引き離された3位同士がやる日本シリーズって、やっぱりおかしいと思うのです。

(仮に横浜DeNAと東北楽天のシリーズになった場合の話です)

 だからこそゲーム差によってはCSは開催しないという、優勝チームへの配慮も必要です。

 

 今一度、NPBにはクライマックスシリーズ開催の是非について考えていいただきたいと思います。