思い出の場所って言っても病院なんですけど…
【当時の日記】の中にも出てきた病院の談話スペース。夫がお世話になった病院は全室個室なので、各フロアにお手洗い等もなくて(1階の外来部分にのみアリ)、唯一あるのが気持ち程度のこの談話スペース。ここには毎日の献立表などが掲示されていました。
6年前の治療の時、私はある事で夫を怒らせてしまいました。当時夫は抗がん剤の副作用でニオイに敏感になっていたのですが、夫とは別に使っていた自分のシャンプーを変えたら、そのニオイが気持ち悪い、勝手にそういう事するな!と怒られてしまいました。
なんだかその時、とっても悲しくなってしまって。夫の入院で不安の毎日の中、心の余裕がなかったんだと思います。涙が溢れてきてしまい、でも夫には涙を見せたくなくて
『ちょっと夕食の献立見てくるね~』
と言って病室を出ました。病室から出たものの、1人で泣くようなスペースがないのです。お手洗いでもあったら個室で涙を拭く事もできるのに。仕方がないから、この談話スペースの献立表を見るフリをしながら必死で涙を堪える事しかなくて。
そして一昨年くらいだったか、泣く所がなくて本当に困った、あの談話スペースは思い出の場所だよ、という話をした事がありました。寝る前の会話だったと記憶しています。夫はそれまで私が隠れて泣いていた事など知らなかったんですね。
そしたら夫は面白おかしく私を茶化したのですが
『でも色々ありがとね。』
と言いました。凄く嬉しい言葉でした。その言葉を聞いて夫に背を向けたまま泣きました。嬉し涙です。感動的でした。だから、その当時は辛い場所だったけど、夫の言葉で良い思い出となりました。
今回の再発では数回の入退院をしましたが、夫が
『またどうせあそこで泣くんだべ。』
と笑いながら言いました。私も笑いました。今回は毎日毎日その瞬間に精一杯でこの場所にお世話になる余裕すらありませんでした。泣く時は夫と一緒に病室で泣いてました。
こうやって書いていたら、この場所に行きたくなってきた…
でもたぶん行きたくても行けないけど。
ここに行く為には夫が亡くなった病室の横にある連絡通路を歩かなければならないので、絶対無理。想像しただけでドクンドクンします。行きたいけど…行けないなぁ…

