オーブンを買ったので、娘とお菓子をよく作るようになった。
クッキー、バナナケーキ、パウンドケーキ。
バターの甘い香りが家中に広がって、幸せな気持ちになる。
娘はでき上がる前から、食べていい?ってずっと聞いてくる。
いざ食べてみると、できたての美味しさは格別で、美味しいねぇ、美味しいねぇと皆で言いあって食べている。
美味しいものを食べると、伯母の事が頭に浮かぶ。
この美味しいものを、伯母に食べさせてあげれないのが悲しい。
オーブンをもっと早く買えば良かった。
生活に追われて、オーブンまで手が回らなかった。
今使ってるレンジが壊れてもないし、使えるし、なくても生活できるし。
何のためにお金を貯めてたんだろう。
無理してでも買えば良かった。
自分の貯金を崩せば良かった。
買えなくはなかったのに。
生きているうちに
伯母に喜んで貰いたかった。
これ作ったんだよって驚かせたかった。
私が作ったものを食べてもらいたかった。
食べさせたかった。
何もしてあげられないままお別れになってしまった。
だーりん








