『深夜プラスワン』
みなさん、今晩は。
お元気ですか、お元気であると思います。
今回は、『深夜プラスワン』の感想を書いてみたいと思います。
『深夜プラスワン』は、ミステリーの黎明に現れた名作で、以降のミステリーに大きな影響を与えていると言われている大作です。
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作風としては、オーソドックスかつハードボイルドと言ったらいいのか、ストーリーに関わりのない余分な描写が削ぎ取られた骨太な作品でした。
タイミングをずらしながらも数々の伏線が散りばめられ、序盤に覚えた不信感や疑念を押し流すように新たな伏線の提示や開示が行われていきます。
また登場人物の一人一人が非常に魅力的で、特に主人公、コードネーム『カントン』は格好良すぎなんですが、その魅力や人間臭さを表現するエピソードに浸っていると、ミステリーのフックを忘れてしまいます。
ラストに向かって緊張感を高めていく筆致も絶妙で、こちらまで心拍数が上がってきそう。
しかし、そんなに奇をてらった表現があるわけではなく、あくまでもオーソドックスな情景描写、心情描写によって感情を書きたて掻きたてるわけですから、見事です。
当然、ラストにはミステリーお約束の驚きがあるわけですが、これも普通の作品ならばむしろ木訥とした印象を受けることもあるかと思います。
でも、登場人物への一体感からか、いつの間にかミステリー感を忘れ、純粋に驚かせてくれました。
そう、これがミステリーの本質なんですよね。
つまり、おどろおどろしい描写や演出、そしていかにも複雑怪奇なトリックやどんでん返しを用意しなくても、ストーリーの緻密さ、そして登場人物の魅力で世界観の中に引きずり込んでしまい、最後に隠し味程度に驚きを見せてくれる。
最期の急展開の後も、『深夜プラスワン』は手を抜かず、きちっと止めを指してくれます。
その格好いいことと言ったらありません。
そして、心地いい余韻と、描かれることのない後日談への妄想を読者に抱かせ、物語は終わります。
まるでカントンが背中越しに「あばよ」と言っているように。。。
気分を変えてミステリーを読みたくなった人は、是非一読されてみることをお勧めいたします。
ではまた。
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