父が入院して帰省している。高齢ということもあり、父の様子からも、元気になって帰ってくることはないだろう。


若い頃は、反発した。でも、真剣に話せば耳を傾けてくれた人だった。

偏見が無く、変わった性格の私を否定しなかった。女の子らしく生きなさいと言われたことは無かった。

父は中学しか出ていない。終戦時11歳。

中学卒業後、働き始め65歳まで同じ会社に勤めた。

父が、学が無いことや、人より少し貧乏だったことが恥ずかしかった。贅沢は出来なかったが、人並みに生活出来てたのに。

あの頃珍しく大学院にまで進学させてくれた。自分の実力だと思っていたが、父のサポートがあったからだ。

愛情を与えられるのを当然と考え、若い頃感謝もしなかった。


実家に帰る度に、母や姉に非難されている姿を見て悲しかった。父は許していたのだと思う。

その上で、自分の意思を通していた。

そんな父を見て、少し優しくすることが好きだった。大事にしてると伝えられることは、大事にされていることを自分で気づくことかもしれない。優しく出来る自分が誇らしかった。


帰れば迎えてくれる人がいつも居てくれた。そこに居てくれるだけで安心出来た。

父が居てくれたから、子供の心を持っていられた。帰る場所があったからだ。


無理だと分かってる。だけどもう一度元気になって、呆れられながら、お酒を楽しそうに飲む姿を、見てみたい。