原発事故は住民に健康影響表れないと、国連科学委委員会の報告書案がまとまったそうです。

本日、色々なメディアが発信しているその情報をまとめてみますと、

東京電力福島第一原子力発電所事故による住民への被曝(ひばく)影響について、「原子放射線の影響に関する国連科学委員会」(UNSCEAR)の報告書案をまとめたウォルフガング・ワイス博士が5月31日に、ウィーンで記者会見し、

「(被曝による住民への)健康影響はこれまでなく、将来的にも表れないだろう」と述べたとの事。

 また、事故直後、同原発から20キロ・メートル以内の住民を避難させるなどの政府の判断が功を奏して「被曝量を最大10分の1に抑えられた」と評価したらしいです。

 この委員会は5月27~5月31日に、総会を開き、放射線医学の専門家ら約80人のグループで、2年かけて被曝の影響を評価した報告書案について協議した様です。


事故後たった2年で、何が分かるというのでしょうか。

チェルノブイリでの健康被害も事故後5年経った頃から、甲状腺癌が増えてきたという事実も分かっています。

こういった報告書案をまとめる事自体が、時期早々であると思います。

生態系の変化や医学的な見地から、人間やほ乳類、動植物に至まで、全ての生物に関して事故の影響があるのかどうかを、くまなく調査し、考察するには少なくても10年近い年月がかかります。
中長期的な調査をおこない、慎重にデーターを扱って精査していく必要がある事柄のはずなのですが、恐らくまだそのデーターも充分に集っていないはずですから、何か政治的な駆け引きが始まっていると考えたほうがよさそうです。

国連という機関は、加盟している国や国際社会の利益を守る為に、各国が連携して足並みを揃えて、お互いに利益を共有し良い方向性にもっていく為の国際機関であると思います。

それぞれの国に住んでいる国民にとって、国連の動きは良い側面もありますし、悪い方向に転ぶ側面もあります。

今回は、まさに、国際社会に向けて「福島は安全であるという」お墨付きを与えてしまう転機に充分になり得る可能性があります。

日本経済や国際的な経済事情を優先させる事で、福島で起こっている現実を、国際的に、そして日本国内からも隠していこうという動きの一端であるような気がします。


それと、同じ国連の機関において、国連人権理事会は日本時間の24日未明、福島第一原発事故後の人権状況に関して国連特別報告者アナンド・グローバー氏の報告書と勧告をサイトの公開した様です。

勧告では、「子ども被災者支援法」の基本方針を事故の影響を受けた住民や自治体とともに策定することや汚染レべルを年間1ミリシーベルト未満に下げるために、期間がきちんと明記した計画を、早急に策定することを求めています。

以下のURLに翻訳文が掲載されています。

http://hrn.or.jp/activity/srag.pdf 特定非営利活動法人 ヒューマンライツ・ナウに翻訳文が掲載


日本のお役所と同じように、縦割りで物事を進めている感じが見受けられます。

同じ組織内でもある部署では、福島の人権を擁護して、ある部署では、放射能による健康影響は無いという姿勢を打ち出す。

この姿勢、とても困惑し、翻弄されると思います。

一環した方向性を持って対峙して欲しいものです。