昨日、土曜日の夜、Y子が来た。K 子が熱を出して休んだので、Y子ひとりだった。

 中3であるが、二人に高校の英語を教えている。

 休憩時間に、ことわざカードで遊んだ。

 『天は、二物を与えず。』

 「K子ちゃんは、頭の良さは天才的だよね。他に天からもらったものはある?」

 「ありません」

 数学も検定で、高校2年生レベルなので、頭の良さは自認している。

 「美人ですね、と言われたことは」

 「ありません」

 「その天然のカールしたヘアスタイルはかっこいいよ。可愛いよ」

 「有り難うございます」とにっこり笑う。

 「スポーツは?」

「苦手です」

 何かもう一つK子の卓越した物はないかと考えた。

「あるじゃないの。K子ちゃんの人間性。素晴らしい。いつも笑顔。人の悪口をいわない。親切。」

 

 彼女の将来の目標は、医者。国境なき医師団に入り、アフリカに行きたいという。

 「ところで、何科の医師になるの。」

「アフリカも何科も未定です。薬学の研究をしたいと考えています」

「産科はどう。今朝、NHKラジオで、京都の子ども病院の放送をしていた。少子化問題を考えたら、産科は大事だよ。」

 彼女は産科は、否定的のようだった。以前からグローバルな仕事に関心があった。

「そうだ。恵子ちゃんは、将来国連の職員となる。きっと、薬学が必要な職場があるはずだ。よし、国連に決まった」

 恵子は苦笑いする。

「国連なら、英語が絶対必要だ。さあ、英語を頑張ろう」と言って、私は高校英語の教科書を広げる。

「はい」と言って恵子は、英語に意欲を燃やす。

 

午後九時半、車でお迎えが来る。

 「火曜日は、理科の高校入試過去問題を用意しておくよ」

 「有り難うございました」

 小学生のときは、小さな子だったが、今は身も心も頭脳も立派に成長している。