1. 全身麻酔による死亡事故は、日本では0.06%の確率で起こっているそうです。過去に、顎矯正手術(骨切り)によって命を落とされた方が、日本でも何人かおられます。身体が健康な方が、わざわざ全身麻酔で手術を受けるわけです。また、骨切りは非常に高度なテクニックを要する手術です。「成功して当たり前」などと考えられるかもしれません。しかし、技術と知識の刷新を心掛けても、常に完璧な結果が必ず得られるほど医学は進歩していません。日本でもこのように難しくリスキーな手術なのに韓国では成功前提で宣伝します。医療は魔法ではありません。それを理解して受けて来て下さい。

  2. 手術中や術後は、不測の事態が起こる可能性があります。予想していたよりも出血量が多くなった場合には、輸血をする場合があります。また、骨の切れ方、骨の性状、軟組織の抵抗など、術前に予期できない神経・血管の異常走行によって、2~3日後に急変する場合もありますが、多くの場合韓国は仲介業者の宿舎やホテルに移動します。日本では看護師や医師による退院まで経過観察や消毒などがありますが、宿舎やホテルでの静養させる方法は不測の事態が起きた場合は自己責任である事を理解してから受けて下さい。

  3. 顎矯正手術は、上顎骨、下顎骨、またはその両方を動かす手術です。顔面骨の中央と下方が変化するわけですから「顔が変わる」ことは絶対に避けられません。特に上顎の手術では、鼻の形が変わります。上に向いてしまいます

  4. 上顎骨、下顎骨は歯科医学的に最も望ましいと考えられる位置に動かします。そのときに移動の指標となるのは「正しい噛み合わせ」です。しかし韓国では見た目重視の手術を行わなければクレームになる為、正面から見て美しい位置に動かします。顔の筋肉のバランスが狂い顔面神経麻痺のような症状が出たり、噛み合わせが出来ないので力も入りませんし、自律神経が狂う原因となります。手術前には矯正治療が必要ですが、基本的に噛み合わせが整っていないと手術はできません。最近は矯正なしで手術を行う方法も有ります。

  5. 顔の表面には傷をつくらずに手術することを基本としていますので、手術操作できる範囲には制約があります。また、骨は神経や血管に囲まれていて、移動できる距離・方向に制限があります。さらに、どんなに注意深く手術しても、神経が障害を受けてしびれが出る可能性があることは否定できません。手術は魔法ではなく、できることとできないことがあるのです。

  6. 人間の顔は、解剖学的にはもともと非対称であると言われています。顔の真ん中を鏡で割っても左右対称な顔をされている方は存在しません。手術で意図的に左右非対称な位置にあごを動かすことはありませんが、前述のように、噛み合わせによる制約、操作範囲・神経などによる制約、骨の形態や切り離した面の形などによって、結果として後遺症が出る可能性があります。手術後6カ月すると落ち着いてきますが、片方は噛みにくい、口が開かない、左右のバランスが崩れている場合は、変形が続く あるいは悪化します。癖を治してリハビリを行うなどの手術以外の方策が必要です。

  7. 人間の骨は、常に古い部分が吸収され、新しいものと置き換わっています。手術で新しい位置に動かした骨の形も、出ている部分は引っ込み、引っ込んでいる部分は出てきてなだらかになっていきますが、それには半年~1年以上かかりますし、噛み癖や筋肉・皮膚の緊張具合によって、思わぬ形になっていく場合があります。特に男性の場合は、皮膚が硬い、比較的年齢の高い方は血流が悪いなどの理由により、骨の新陳代謝が順調に行われないことが考えられます。

  8. 近年話題になっている睡眠時無呼吸は、顎が小さくて後方にある人に起こりやすいとされています。これは、舌の位置が後方に押されていて、気道が狭くなることが原因だと言われています。下顎前突(しゃくれ)に対して後方に移動させる手術を行うと、一時的に舌が収まる場所が小さくなるので気道も狭くなる傾向があります。下顎を後方に動かすと症状が出現する可能性があります。

  9. 手術によって得られた新しい口腔環境に適応するためには、術後の歯の矯正と機能訓練(リハビリテーション)が重要です。これを怠ると、もとの位置に顎が動いてしまい(再発)、手術の効果が失われてしまいます。それどころか狂った噛み合わせから生じる後遺症が強く表れます。顔の筋肉を早く新しい位置にて以前のように動かせるようにリハビリテーションを行わないと、しびれが残ったりストローで飲めなくなったり、口が開かなくなってしまいます。手術を受けたらメンテナンスを定期的に行わなければならない事を理解して受けて下さい。