山口さんって対談向いてないんだよね。根本的に。

近年の有栖川さんや坂野公一さん、新井素子さんあたりとの対談に
行ったことある人なら分かると思うんだけど、
何やったって「自分が自分が」の人だから、誰と対談しても
相手の話を聞かないで、遮って自分の話始めちゃうし。
来場した対談相手の作家さんのファンがツイッターで「最後まで話聞けよ!」って
キレてるの見て笑っちゃったよ。

で、ゲストの話ぶった切ってまで話すその話が面白きゃ文句はないけどさ……
山口さんの最近の批評「っぽい」仕事も全部そうなんだけど、
大昔に刷り込まれたままアップデートされてないんだろう半可な知識や、
ウィキペディアとかから拾ってきたようないい加減な情報を、
「こんな話あったよ!こんな話もあったよ!」ってだらだらだらだら
連ねるだけで中身がひとつもない、バカな大学一年生のレポート課題みたいなの
ばっかりでしょ? 対談でもその調子だからさ。相手も客もぽかーんよ。

ハッキリ言うよ。今の山口雅也は「もの知らず」よ。

元々、知識ベースで話す人っていうか、あの世代のミステリオタクには
珍しくもないけど、前時代の権威主義者だから「知識のある人が偉い」って
価値観に凝り固まってる人なんだけど、昔なら、知識量で偉ぶるためにちゃんと
稀覯本や日本未発売のレコードやらビデオやら集めたりとか、相応の時間と
金をかけた「努力」が必要で(それこそ荒俣宏さん的なね)、山口さんもたぶん
それをしてたんだと思うんだ。でも、今そのテンションで、
「ネットで拾ってきたんだろうな」
「それってガセだって聞いてるよ?」
っていう、低カロリーの知識でマウント取ろうとしたって通用しないよね。
自分がざっとネットで調べたら出てきたようなことは、誰でもざっとネットで
調べられるんだっていう、当たり前のことに気づいてないのかな。
「がんばって調べたんだよ!えらいでしょ!」じゃないんだよ。
でもたぶん、がっつり専門書読んだり、資料をあちこち探しまわる体力は
もうないんだろうね。ご病気もしたし、もうお年だし。
ならマウント取ろうとせず謙虚に暮らしてくれと思うけど、それでも
「物知りって思われたい」っていう自己顕示欲だけは収まらない。
残酷な話だと思うよ。付き合わされる側はたまったもんじゃないけど。

対談してても「相手に物知りだと思われたい」って思って喋るから、相手の
話を引き出そうって余裕がないんだよね。
せっかく人脈で話面白そうな人連れてきても無駄になっちゃう。
箒立てかけて対談させても一緒なんだもん。

あと、本当にクソなのが、自分の中で「つながった!」と思っちゃった、
実のところなんにもつながってない物事を自分のフィールドに引き寄せて、
何度も何度も聞いたような話を繰り返しちゃうbotみてえなトークね。
みんな何回、IQとEQの話聞いた? 俺は4回! 最上徳内の話は? 俺3回!
それで「シンクロニシティだ!」って言うんでしょ?『奇偶』から18年だよ。
あの思い込みの激しさが、小説書く上では(昔は)良い方に出てたんだろうけどね。

もう山口さんに対談させるのと問答形式でなんか書かせるのとつまんない落語もどき

書かせるのとツイッターやらせるの禁止にして! これ以上晩節を汚させないで!

なんだかんだ言って『生ける屍の死』、『日本殺人事件』『奇偶』、キッド・ピストルズの
少なくとも初期2作はめちゃくちゃ面白いことやってる作品として嫌いになれない、
かつてのファンとして、関係者として切に思う。