時は昭和九年。関東大震災から復興を遂げた華やかなモダン東京を謳歌したのもつかの間、
戦争の影が徐々に忍び寄っていた。
ついに寅弥がわが子のようにいとおしんできた勲にも召集令状が届く。
国の無体に抗おうと松蔵らが挑んだ企みとは?
激動の時代へと呑みこまれていく有名無名の人々に安吉一家が手を差し伸べる五編。
人の痛みを、声なき声を、天下の侠盗たちが粋な手並みですくいとる。