ローカル・ジャーナリズム ~たぬきのつぶやき -2ページ目

ふるさとドラマ最終回へ

ふるさとドラマの12本目「哀愁の海」の放送が始まった。この作品は、ケーブルテレビ oniビジョンの新人スタッフが原作を書き、主人公を務めるという異色作。内容は無気力な学生と、交通事故で生きる望みを断ち切られ死神となってこの世に現れた女性とのはかなく、悲しい恋物語。

主人公を演じた新人スタッフは、初めてのドラマ出演とは思えない度胸のよさを見せ、また出番でないときは荷物運びやレフを当てたりの大忙し。新人類の面目躍如といったところであった。

そしてふるさとドラマは3月、いよいよ最終回を迎える。脚本は友人で映画監督、脚本家として知られる仲倉重郎さん。物語は情報誌女性記者の遠距離恋愛の破局から始まる。そのショックを振り払うように女性記者は、ふるさとの伝説を探る企画を立て仕事に没頭する。最初に取材対象としたのは、独りの老人の謎であった。その老人は、廃線になった軽便鉄道の駅に毎日姿を見せていた。そして誰かを待つそぶりを見せていた。ある日その老人の孫が“おじいちゃんは初恋の人を待っているの!”とそっと教えてくれた。

“いつか来る初恋の人!廃駅に佇む老いの執念”頭の中で企画書の文字が躍る。20年前に廃線になった軽便鉄道のかつての同僚、老人の同級生などへのインタビュー? 老人が大切にしまっていた女性からの手紙? 老人の奥様への取材? 女性記者の取材計画は進む。

「風の道伝説 おじいちゃんの初恋物語」は最後に驚きの結末を迎える。

謎が解けたとき、一緒に伝説を追ってくれた写真部の先輩の温かさが身に沁みる。やがてそれは新しい恋の目覚めになるのか・・・。

乞う!ご期待!

CATVで作るふるさとドラマ



11月14日から放送が始まる「家族―秋編 幾星霜を越えて」のMAが11月12日に完了した。
放送日2日前であった。

これまでに1時間ドラマ1本のほか、30分ドラマを毎月1本制作、放送しており、ギリギリのMAに慣れっこになってきたからであろう。
放送2日前でも誰も慌てない。

この番組は“地方のケーブルテレビがふるさとをテーマに、ふるさとの人たちが出演してドラマを作る”という画期的な企画で、2010年の正月から放送を始めた。
レギュラー番組は4月から30分番組とし、その前宣伝を兼ねて1時間の正月特別番組でスタートを切った。
これまでに会わせて9本を制作、9本目の「家族―秋編」が今放送中ということになる。

この「家族」という番組は、学生運動に挫折した若者が、希望していた開拓生活に入り、たった一人から40年を経て4家族15人の開拓村になるまでを、4回のシリーズで制作しているもので、今回はその3回目の秋編。来年1月の冬編で完結する。

なにしろスタッフも制作費も少ないケーブルテレビだけに、出演、脚本、音楽すべてボランティア。出演者は公募して、応募してきた人は全員どこかの番組に出演できるようにしている。撮影日数は3日~4日。編集1日半。MA半日。撮影日は土、日曜日に限っている。

打ち合わせも、読み合わせもない。
あらかじめ台本は、出演者に送っておく。
撮影日が即本番である。
間違い、話し方などでスムースにいかない場合は、何度でもNGを出す。
その時が監督として初めて、出演者の声、話し方、イントネーションなど聞くことになる。
サーッと血の気が引くか、ウンと頷くか、監督としてスリリングな一瞬でもある。

ふるさとドラマはシリーズは、来年3月で打ち切ることになっている。ただし継続の希望者が多い場合は、特別番組として1年4作品ぐらいは制作することになるかもしれない。
とりあえず「家族―春、夏、秋、冬」の4本については、2時間のドラマに再編集して来年春放送を予定している。
どんなドラマを作っているか、見たい人があればDVDを送ることも可能。ただあまり本数はないので申し込み順としたい。

放送及び放送予定リストは、次の通り。
 2010年 1月 「ふるさとは温かだった!」
       4月 「家族―秋編 深雪の中から」
        5月 「夢を呼ぶタイムカプセル」
        6月 「私のルーツを探して」
        7月 「家族―夏編 子どもたちの夢」
        8月 「星の降るさと」
        9月 「かげろうが翔んで」
       10月 「彼岸花が咲くとき」
      11月 「家族―秋編 幾星霜を越えて」
       12月 「渡り拍子の鉦が聞こえる」
 2011年 1月 「家族―冬編 夢は世界に」
       2月 「哀愁の海」
       3月 「最終回特別編(未定1時間番組)