久しぶりにちょっと学問的な話題。
最近、日本でエジプト語の研究をしていらっしゃる方と連絡をとっているわけなんですが、
その方は一般言語学の対象としてエジプト語を研究していらっしゃるようです。
この方に指摘されて初めて気付いた問題。
それが、
Egyptologist「エジプト学者」の使用している用語の定義なんです。
そもそも
Egyptologyという学問は真に独立した存在ではなくて、
古代エジプトを様々な観点(分野)から研究するという、とても幅が広くて曖昧な学際的な分野なわけです。
個々の研究者によって重要視する部分が異なるため、幅広い分野に触れることになると思います。
ちなみにLiverpool大学では、やはり建築、宗教、文学などといった分野が主な研究対象です。
古代エジプトはその独特な宗教観が至る所に顕在していて、建築デザインや美術では特にそれが強く見られます。
個人的には、
エジプト学というのは
「古代エジプトの文化を再構築する学問」だと思っています。
その中に言語も含まれているわけです。
ここで問題点に戻るわけですが、エジプト学で便宜的に使われている「言語学的」な用語が、
本来の使い方や意味から離れてしまっているようです。
シャンポリオンがヒエログリフの解読に成功してから、まだ200年も経っていないわけなんですが、
どうも研究者達はエジプトに固執しすぎてしまったせいなのでしょうか。
言語学を専門で学んだ経験はないので、どの程度の乖離があるのは見当も付かないですが・・・。
それでも、用語の使い方が間違っているから学問として否定されるわけでもないと思っています。
なので私はとりあえず
「エジプト学的に正しい」用語として便宜的に使っています。
エジプト学はとても保守的で、変化を好まない傾向にあるらしいのですが、
ここ20年で文法の解釈にいくつか理論が生まれていて、現在の「Standard Theory」という故
Polotsky教授
の理論が覆されて、それ以前の理論へ回帰するという現象の真っ只中だそうです。
Liverpool大学のChris Eyre教授やMark Collier博士もその流れに乗っているため、講義でも基本的に解説は新しいスタンダードになりつつある理論に沿っています。
要するに、時間かけないと変えるのは無理だという話ですね。
一応、一般言語学からアプローチをかけている研究者も少なからずいるわけだし、
やはり少しずつ時間かけて変えていくしか方法は無いと思う。
Markに訊ねた時も、そう答えられたし、
自分も一理あると思っているから、この動きには賛同したい。
まずは既存の理論や解釈を学んで、自分が何かを主張できるくらいに理解しなければ。