衝撃的な結末のドラマ。

 そう謳ってくれていれば心の準備も出来たのに。

 

昨夜、今夜と2夜連続のスペシャルドラマ。

主演の松嶋菜々子さんも玉木宏さんもご贔屓の役者さんではないので、見るつもりはなかったのだけど、元宝塚雪組トップスターの壮一帆さんが出演すると知って、さらに相手役だった愛加あゆちゃんも出演するとのことで、元トップコンビがドラマで共演というのは珍しいので見てみることにした。

予想はしていたが、壮さんの出番は短かった。それ以上に愛加あゆちゃんははっきりと顔が映ることもなく、出番修了。

これ、ファンだったら激怒レベル。ネットの記事で元トップコンビ共演!なんて宣伝して、一秒にも満たない出番で。

でも、なんとなくだらだらとドラマを見続けたら、けっこうおもしろかった。

 

【あらすじ】

松嶋菜々子(式子)は大きな商家のお嬢様で、戦争で家族も財産も失い、身一つで洋裁学校を開校、のち、デザイナーとして名をあげていく。

それを支えるのは東大卒の秀才で商魂たくましい野心家の玉木宏(銀四郎)。

お嬢様育ちでデザインの才能はあるものの、経営にはほぼ無頓着の彼女を銀四郎は支えつつ、自分の野心を叶える道具として利用していく。

式子には三人の愛弟子がいて、気が強くて野心家のミムラ。

お嬢さん育ちで天真爛漫な相武紗季。

おっとりとしているが堅実で観察力の鋭い木南晴夏。

 

銀四郎のおかげで式子はデザインの仕事に集中することができて、どんどん洋裁学校は校舎を増やし、映画の衣装デザインを手掛けるなど世間でも認知されていく。

美男子で頼りになる男、さらに自分を長く支えてくれる彼に求められ、式子は初めて体を許す。

しかし、二人の関係は男女の甘い関係ではなく、二人で新しい時代を切り開いていこうという共闘関係に近く、銀四郎は「女と男、どっちが強いと思います? 競争しまひょか」(多分こんなニュアンス)などという。

 

三人の愛弟子たちは松嶋菜々子を尊敬はしているものの、それぞれ虚栄心が強く、銀四郎とそれぞれ関係を持ち、共謀してお金や地位や財産(土地)を手に入れていく。

式子はそれに勘づき、嫉妬もするが彼の求めを拒んだことで関係に終止符を打ったと思い込む。

 

式子は多忙で仕事に追い詰められていくが銀四郎は休むことを許さず、パリへの留学への希望も一笑に付す。

パリのデザイナーとの契約ということで銀四郎から離れ、やっと一人でパリへ行くことが出来、そこで知り合いだった大学教授の長塚京三と想いを通わす式子。

式子は銀四郎と距離を置き、教授と結ばれることを願うがパリにまで追いかけてきた銀四郎に「自分たちは仕事の関係だけではない」とばらされ、教授は式子から離れてしまう。

 

日本に戻り、銀四郎の指示通り死に物狂いでファッションショーのために働く式子。それは、このファッションショーが終わったら銀四郎と手を斬り、教授の元へ行こうと決心していたから。

ファッションショーが大成功に終わり、式子は教授の胸に飛び込むがまたもや銀四郎に止められる。

実は学校経営を拡大するうちに借金を多額に抱えており、まだまだ働き続けなければならないと。

生徒数は多く、知名度もあり、パリの有名デザイナーの型紙を使える専属契約までしているのに利益がでていないはずはない。おそらくは銀四郎が多額の横領をしているのだろう。

経営のほとんどを任せていたため、証拠を集めることも難しく、裁判を起こしても世間の評判に傷がつくだけ、そう銀四郎に丸め込まれ、教授も一緒に戦う勇気がないと式子の元を去ってしまう。

 

【感想&ネタバレ結末】

 

壮大な近代史ものかと思いきや、男女の愛憎劇でした。

デザイナーものだけあって、衣装がどれも素敵。ドラマのためにコンペがあったみたいですね。

あんまり主演二人に興味がなかったんだけど、やっぱり松嶋菜々子はキレイで、玉木宏はかっこよかった。ただ、玉木宏が独特の関西弁(どこの地方の方言かはわからないけど、商人!って感じの言葉)を使うのに違和感があったけど、2日目くらいには慣れて気にならなくなった。

三人の弟子はすごくよかった。三人ともそれぞれ個性が出てて、ぴったりな配役だった。ミムラの相手役の駿河太郎も優しい彼→ストーカー?→彼女に理解のある男と変貌していくんだけど、存在感をしっかりアピールして、うまいなぁと思った。彼は七光りじゃなくてしっかり俳優しているように思う。

 

そして、ネタバレの結末ですが

まさかの主人公、自殺!!!

途中からまさか、まさか、と思ったけど、そうでした。

このこじれ具合だと「風と共に去りぬ」みたいに銀四郎を愛していると気づいたら銀四郎は式子の元を去ってしまうとかの結末かなと思ってたら、あまりに絶望的な終わりで切なくなったよ。

 

原作は知らないけれど、ドラマを見る限り、端々に教授に嫉妬して式子を自分のものだと執着する銀四郎が垣間見えていたので、もっとちゃんと理解しあえてたら、こんな結末にはならずに「本当は愛していたんだ」もしくは「本当は愛していたのよ」みたいになったのになぁと。

実際、借金の話は嘘で、式子を引き留めようとしたんだと一人告白する銀四郎の場面もあるわけだし。

 

まぁ、この結末だからこそ、作品として成り立っているのかもしれないけれど、これではあまりに式子が可哀そうだし、銀四郎はバカだし。

でもやっぱりわたしはハッピーエンドが見たいんだよね。

どんな紆余曲折を経ても最後は結ばれてほしかった。文学的観点からみられない無知なわたしはいつもそう思うのです。