【魔の手】

奴は静かにやって来た
でも確実に襲ってきた

弱った体に入り込み
体の中から襲ってきた

こんな奴に負けるものかと
私の体は闘った

思いの外、手強い敵に
徐々に体力を奪われた

自由の利かない自分の体に
もどかしさを感じながら
早く闘いが終わる事を願い
ごく普通の日常を
勝ち取る為に闘った

病魔に打ち勝ち
ようやく自由の身になれて
外の空気に触れた時
キーンと突き刺す北風も
どこか懐かしく感じられた

弱った体を癒しつつ
一日一日
普通に過ごせる喜びを
しっかり噛み締め生きていこう


H,29.12.31


【迷子のボールペン】

いつもの場所に
しがみついていたはずなのに
ついうっかり油断して
手を離してしまったんだ

床にコロンと落っこちて
あっ待って~って叫んだけど
君は気づかず歩いていった

一人になって
寂しくて
床でしくしく泣いていたら
大きな手が差し伸べられて
僕はどこかへ運ばれた

そこで待ってろ
必ず迎えに来てくれるから
その言葉を信じて
一人でじっと待っていた

しばらくすると
ようやく迎えに来てくれた

僕は君にしがみついて
また二人で歩き出した

お兄さん
助けてくれてありがとう
もう二度と
迷子になんかならないように
しっかりしがみついて
お仕事しっかり頑張るよ


H,29.12.20
【落ち葉が大地へ還る時】

木々の葉は
黄色やオレンジに染まり
足元には
黄色い絨毯が広がっている

今年もあと少し
木の葉は落ちても
春になれば
また新しい葉が顔を出す

木々の一生は人より長い
繰り返し繰り返し
芽吹いて茂り
大地へ還る

一生が
木々の一年のように
大地へ還る瞬間まで
堂々と生き抜いていけるよう

老いる事を恐れず
老いる自分を嘆かず
大地を踏みしめ
一歩一歩
一日一日を生き抜いていきたい


H,29.12.5