去年はこんなブログ書いてました。
2020年の目玉は、薬師寺東塔。
史上初の全面解体修理が完了しました。
見納めに行ってから、もう10年経ちました。本当はすぐにでも拝観したいのですが、コロナ禍で周りの目もあるので…。弾丸ツアーなら日帰りで行けるかな。笑
しかしまあ、古建築好きとしては本当に良い時代に巡り合えたと思います。
●唐招提寺 金堂の解体修理
●平城京 大極殿の再建
●薬師寺 東塔の解体修理
●興福寺 中金堂の再建
これ全て、直近の15年で楽しめた話です。
2022年からは、興福寺 五重塔の解体修理も控えています。現状かなり傷みが激しく、これ以上の先延ばしは難しかった事でしょう。
東大寺七重塔も再建論が出ています。しかし結論が出るのは、良くて数十年先の事でしょう。
復元案は過去に何度も出されていますが、基壇以外は姿形が曖昧な上に、そもそも塔の高さが分かりません。
こちらは最もポピュラーな「天沼案」。総高33(≒100m)を主張する、昭和初期に出された物です。
天沼氏は昭和初期における日本有数の建築史家で、実績は疑いようがありません。
しかし、この案は総高50m以下の塔を単純拡大したプロポーションを取っており、多数問題を抱えています。
・軒の出が25尺以上あり、地垂木(45尺程度)隅木(60尺程度超)が一丁材で作れない。
・桔木でないと軒の支持力が取れない。
・塔身が52尺(柱間17尺+18尺+17尺)を超えるため、力肘木が対面まで貫通しない。
・最上層の野小屋構造には無理がある。
これを現実的に改めたのが、下記の箱崎案です。
・軒の出は東大寺五重塔に近い。
・一丁材の最大寸法が考慮されている。
・柱間は5間。4層目以下では側柱から四天柱までで三手力肘木を支持する。虹梁などは無いが、同時期の金堂のような架構。
・四天柱の柱盤で垂木支持力を効かせるための、現実的な低減率。
とても理にかなっています。
実際に、近年の発掘調査で柱間が5間である事が確認されました。
2016年には、「東大寺東塔建築についての検討会」により東塔復元イメージが公開されました。
私の疑問としては、
・振れ止め補強に欄干だけでは弱くないか? 薬師寺三重塔では、柱頭付近を裳階で、柱脚付近は欄干で補強している。
・どんな内部架構を想定したか。軒の出に対する塔身が極端に太く、柱が長い。そのため柱盤から地垂木にかかる荷重が増加し、曲げ応力が過大にならないか。
上記の懸念から想像するに、おそらくこれは再建論を進めるために『構造はさておき』と作ったのでしょう。
あまりこうした情報は公開されないため、知りたくても機会が無いのが現状です。前例の無い七重塔の再建は技術的にも注目度が高く、今後の動きに期待しています。
…かなりくどい話でした。笑
チャンスを見て、奈良に行きます。


