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Dear Lover

相棒たちと彼女のはなし

一回言い出したら絶対に引かないことは分かってるから、違う形でお返しすることにきめて、ここは駐車場代を出してもらうことにする。

駐車場代を払うというので仕事が終わった村ちゃんが、駐車場まで来た。

「じゃあうちまで送ってって。いいでしょ。」

「もちろん。ついでに買い物してく?」

「いいの?じゃあスーパーに寄ってくれる。」

「じゃあ車なしでどうしたの?」

「不二家。由紀子ちゃんが時間つぶしに来たよ。」

「なんでまた?」

「今日、海に行くって言ってた。高校の時の友達も来てたよ。」

「そうなのー。ほんとにごめんね。駐車場のお金払うわ。いくらになりそうなの?」

「わかんない。いいよほんとに。」

「絶対だめ。」

 一時間くらい眠って、陽が当って熱くなっている室内の空気で目がさめ、買っておいた缶コーヒーを一気飲みして車を出る。Tシャツだけ着替えて、相棒たちに会いに行く。

「てっちゃん。昨日はごめんねー。」

「村ちゃん、おはよ。気にしなくていいよ。」

「あら、そんなわけにはいかないわ。そういえば、車どうしたの?」

「まだ、駐車場。」

まあまあの紹介で、時間がつぶせたが、三人はもう出かけるという。駅まで乗せてくれるというので、お言葉に甘えて乗せてもらった。
まだ駐車場が空く時間じゃなかったので、山手線の始発に乗って時間をつぶそうと考えた。席が空いたので座るとすぐに眠気が襲って来て、あっという間に二周し、ふらふらのまま駅前の駐車場へ向かう。何時間も眠れないので家には帰らず、駐車場の車の中で仮眠を取る。

「なんでそんなに慌ててんの。ゆっくりしゃべりなよ。」

「佐藤さん。この子、ふられてから男性恐怖症になってるみたいなんです。たぶんこんなに長く男の人と話したの久しぶりなんじゃない?」

「そうかもー。えっちゃんもそう思った?」

「うん。」

「昨日の夜、私の歓迎会と先輩の送迎会で、時間が過ぎちゃって駅前の駐車場から車出せなくなって、でも送ってくれて、てっちゃんさん帰れないからここにいるっていうから、話し相手してもらおうと思って、待ち合わせ場所だったし、寝ちゃいそうだったし。」

「こちらが、バイト先の先輩の佐藤哲史さんです。」

「やっぱりゆっこって呼ばれてんだ。じゃあ、えっちゃん。あやちゃん?」

「なんでわかるんですか?」

「何となくだよ。」

「で、どうして、ゆっこと佐藤さんここにいるの?」

また、どうでもいい話をする。二十分くらいで、迎えが来た。

「こちら、高校の時同級生だった、小林綾子さんです。音大ですよ。」

「小林綾子です。よろしくお願いします。」

「よろしく。」

「で、こちらが北村悦子さんです。」

「北村です。よろしく。」

「こちらこそよろしく。」

コーヒーカップと彼女が頼んだオレンジジュースで乾杯する。それから、ナンパを装って、彼女の付き合っていた人の話と俺の付き合っていた人の話を続け、あっという間に一時間が過ぎた。

「外明るくなってきましたよ。もう三十分もしないうちに友達来ます。紹介しますね。」

「良いことだけ紹介して。悪いことは無視して。」

「そんなのずるいですよ。普通に紹介します。」

「わかった。」

「てっちゃんさん飲めないのに。」

「今は、知らないことになってるんだよ。合わせて。」

「そっか。いいですよ。飲み行きましょう。おごりですよね。」

「もちろん。」

「決まりだー。じゃあここからは、飲み屋の設定ですよ。」