"Maki"というバンドが、サブスクに曲を出した。
私が、ベースボーカルを始めるきっかけになったバンドだ。
始めるというか、したいって思うようになったきっかけ。
あるいは、"Film Colony"の始まるきっかけにもなったバンドだ。
確か大学2年の6月あたりだった気がする。
3限だったか、昼飯を食べいい具合に眠くなってくる頃。大学の共同スペース。
課題半分、サウンドハウス半分でパソコンを開いて
セナくんと時間をつぶしていた。
私にはろくに集中もできないくせにYouTubeで音楽を聴きながら作業をする癖がある。
その日も適当な気分でBGMを聴いていた。
普段鬱陶しく感じる自動再生機能もその日はありがたく使わせていただき、
ある動画が終わり、次の動画に切り替わるときだった。
偶然。あるいは運命。
流れてきたのは、"Maki"の『虎』。
彼らの所属するレーベルが出した広告だった。
「あっ」
「ライブがしたい」
そう思わされた。
イントロのコードリフ。
1,2弦でなるベースのフレーズ。
駆け抜けるツービート。
どれもが、忘れていた感覚を、真正面からぶっ刺した。
ライブが、したい。
コロナ禍でライブハウスから離れた生活をしていたところに、
彼らは鬱々と沈んだ気持ちを晴らすように、
その一曲を私に聴かせてみせた。
すぐにセナくんに話しかけた。
「やべぇよ。こんなバンドまだいたよ」と。
すぐに聞かせた。安物のイヤホンを無理やり押し付けて。
「ライブハウスで映えるバンドだ」と彼は言った。
それ以前から、セナくんとはバンドを組もうという話はしていた。
私の悪い癖で、話はするが実行に移すまでが非常に遅い。
しかし、この時の衝動はすごかった。
その場でほとんど決めていた。
私がベースを弾き、歌うことを。
実はベースはその年の頭に買っていた。
バイト先からもらった休業手当が思いのほか多く、浮かれてポチったものだった。
これも偶然と言おうか、ベースの色が『虎』の時のそれと似ていた。
種類もジャズベース。
ピックガードの色だけが違ったので、あとで白いものに張り替えた。
ベースの位置も、ほとんど"Maki"のリスペクトだ。
ギターに関しては昔から低く構えるのが好きだが、ベースはそうもいかない。
ネックも太く単音引きが基本となるため、下で弾く余裕がなくなるからだ。
しかし、あれがかっこよかった。
『虎』で演奏される、あのベースが。
現在は当初よりも少し高くセットしてあるが、
基本的なスタンスはあの頃と変わることはない。
同年代のバンドを褒め称えたり
あからさまにスゲェと言うのが、
正直言えば非常に苦手である。
尊敬よりも先に
悔しさ、負けん気、その他雑念。
それらが浮かんできてしまう。
しかし、私にとって"Maki"だけはそうではなかった。
文句も誇張もなしに、彼らに人生を変えられたのだから。
あの頃と言えるほど昔ではないかもしれないが、
"Film Colony"結成から1年と4か月が経過した。
初期衝動が薄れかける頃、彼らがサブスクを解禁した。
もちろんCDも買うし、次近くに来たらライブも見たい。
目標は大きくというが、対バン、したいね。
これは誰に頼まれたでもないし
案件的なものでもないのだけれど、
たくさんの人にこの人たちの音楽を聴いてほしいので
サブスクのリンクを張らせてください。
推敲なしの殴り書き。
自分語りと、彼ら語りのお話でした。
今度いいお知らせするのでね。少しお待ちくだされ。
お前のことだからきっかけはハイスタじゃないのかよと思われてそうな ヒロ
