「ねぇ、私…好きな人が、できた」

電話越しに聴こえる彼女の声は、少し、ううん、本当に嬉しそうだった。

「その人とね、付き合うの」

その一言で、私は、手に持っていたスマホを落としてしまった。



翌日、いつもと同じ、少しシワのついてる制服を着て、約束した電信柱の所で理佐を待つ。

理佐と一緒に学校に行くのだけれど、少し、気まづい…。

「由依ー!お待たせ」

理佐が私に手を降りながら歩いている。

「あぁ、理佐。おはよ」

「どした?元気ないけど…」

理佐に顔を覗かれる。

「え?いや、なんでもないけど」

「そ?ならいいけどさ、ねぇ~聞いてよ~平手のやつが……」

理佐に昨日のことを気づかれそうになり、少し、ビビる。

「ねぇ、聞いてる?」

「え?うん、聞いてるよ。てちの話でしょ?」

「うん、そうだけど。ねぇ、由依、ホントに大丈夫?今日おかしいよ?」

理佐の心配そうな顔は好きだけど、甘えた顔はもっと好き。
でも、理佐には、もう、恋人がいるんだよね…。

「ううん、なんでもないよ?」

「ふ~ん。あ、そうだ、昨日、付き合ったって話してたら、由依すぐ電話切っちゃったけど、どうかしたの?」

「あぁ~、あれね、あれは、、、充電が切れちゃって、ごめんね?ホント…。」

どうしても動揺してしまって、早口で喋ってしまう。

「そうだったの?なんだ、嫉妬かと思っちゃった、恥ずかしー///」

嫉妬ってワードが出ただけで、緊張するって、ほんっと嫌だな。

「でさ、誰と付き合ったの?」

少し怖いけど、聞きたい。

「ふふ、おしえな~い」

「は?なんでよ、教えてよー!」

理佐の背中をバシッと叩く。

そんなこんなで、いつの間にか、学校に着いていた。

理佐とはクラスが別で、理佐の教室に着いたとき、理佐が教室に入る前に、振り向いて、言った。

「私、付き合ったって言ってないからね?私、由依が好きだから、、、他の人と付き合う訳ないじゃん。由依の答え、待ってるから…」

それだけ言うと、理佐は教室に戻って行く。
私は、教室に戻って行く理佐の手を掴んだ。

「すき、理佐が好き!昨日の電話が切れたの、充電が切れたからじゃないの!私が、理佐の好きな人に嫉妬したからなの!嘘ついて、ごめん…。」

私は、周りを気にせず、つい大声で言ってしまっていた。

「由依、それって、オーケーってこと?」

私はうなずく。

下を向いている私に理佐がハグをする。

「嬉しい。由依が、私のこと好きなんて、思ってもなかったから…」

「理佐…」

キーンコーンカーンコーン…

「やば!早く教室いかなきゃ!またね!」

そう言って理佐は走っていった。


放課後、私は理佐と、手を繋いで帰った。

手の繋ぎ方?ふふ、それは、ご想像にお任せします…。







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それでは✋

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