三連休の時だけ発売される、激安でJR東日本全線が乗り放題になる「三連休乗車券」を使い、東北へと旅立ちました。
東京から朝一の「やまびこ」で一気に一ノ関へ。一ノ関からは大船渡線の鈍行に乗り換えて三陸を目指します。
一時間弱で気仙沼着。しかし、着いた途端に雨脚が強くなり・・・
大船渡線は気仙沼から先が未だに復旧しておらず、現在はBRTによる「仮復旧」がなされています。志津川方面の気仙沼線は駅構内で列車と乗り換えることができますが、こちらは駅前の観光案内所の近くから発着となります。
皆様も絶対に一度は目にしたことがあるであろう、陸前高田の「奇跡の一本松」。元々このあたりは、何千本という美しい松の木がありました。しかし、3.11の大津波により、この一本の松を残してすべてなぎ倒されてしまいました。大津波にも耐え、震災の復興の象徴として、やがて「奇跡の一本松」と呼ばれるようになりました。空高く、雄々しくそびえ立つその姿はまさしく、東北の未来と希望を静かに語りかけてくるよう。
近くの高台からは陸前高田の街があった場所を見下ろせます。ごらんのとおり、周囲は更地で殺風景。高台移転や嵩上げ工事が行われているみたいで、まだ陸前高田が復興するのは先のようです。
終点の盛からは三陸鉄道南リアス線を進みます。2本のレールでしっかりと守られている鉄道はバスより遥かに安心できるような。確かにBRTはコスト的には鉄道より安いでしょうが、やはり定時運行という点では劣り、早期の鉄道による「完全復旧」が望まれます。
南リアス線も今年になってようやく復旧。海沿いを走っているイメージがありますが、実際はほとんどが内陸部を走り、海が見える区間はそう多くありません。
吉浜を過ぎた辺りから車窓には待望の吉浜湾が。「絶景」とまではいきませんが、なかなか素晴らしい海です。晴れていたらもう少し違った印象になるかもしれませんが。
途中橋梁を走行。ここで徐行サービスがあり、この季節は鮭が川を遡上してくるとのこと。よく目を凝らしたら、必死になって泳いでいる鮭の姿を確認できました。
そして終点の釜石に到着。沿線には魅力的な場所がたくさんあるらしく、今度来たときは途中下車をしながらじっくりと堪能したいですね。
三陸鉄道の駅舎はJRのそれと隣接しています。三陸鉄道の方はこじんまりとしていますが、JRの方はみどりの窓口やNEWDAYSもあって、それなりに大きな駅です。
釜石の市街地を抜けると、グングン列車は山を登っていきます。ちょうど紅葉がピークなようで、迫力あるその車窓は、まさにローカル線情緒あふれる素晴らしい時間です。
花巻に着くころにはすっかり日も暮れ。ちょっと前まではこの時間でも明るかったのに、季節の移り変わりというのは非常に早いものですね。
やってきたのは北上線のほっとゆだ。秋田との県境近くに位置するこの駅は、なんと温泉が併設されている全国でも珍しい駅。駅舎は木材をふんだんに使ったレトロな造りです。
時刻は19時を回り、館内には誰もいなかったため、ゆっくりと温泉を楽しむことができました。まさに駅名通り、「ほっと」温まるひと時。ちなみに、このような温泉併設駅はほかにも、高畠駅(奥羽本線)、津南駅(飯山線)、みなみ子宝温泉(長良川鉄道)などがあるみたいです。