たいへん久しぶりの更新になってしまいました。

 

現在、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言は延長となり、国民の自粛生活は続いていますが、その頑張りによる結果一日も早い収束となることを祈っております。

 

本日は、アトピー性皮膚炎について書きたいと思います。

アトピー性皮膚炎(以下AD)は、日常の診察でよくみる疾患です。

 

私も幼稚園年長から小学4年生くらいまでADを発症して一旦落ち着き、その後20才過ぎてから再発しました。

症状は26才頃には落ち着き、その後は保湿をしっかり外用していればほとんど湿疹はでていません。

幼児期当時は母がステロイド外用を嫌がっていたため、いつもかゆくて弟に背中を掻いてもらっていましたガーン


20才過ぎてからは、皮膚科を定期的に受診してステロイド外用すれば改善していました。

 

当科では、乳幼児から成人まで多くのアトピー性皮膚炎の患者様が通院されています。


実際の外用方法から、スキンケアまでご指導させていただいております。

 

ではADとはどのような病気でしょうか?


ADとはよくなったり悪くなったりを繰り返す痒みのある左右対称性の湿疹のことです。


繰り返す期間は、乳児は2ヶ月以上、

その他は6ヶ月以上。


アトピー素因(家族や自分自身にアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎)を持つことが多いです。


簡単にいうと、

遺伝的にアトピー性皮膚炎になりやすい体質の人が、

いろいろな物質(ダニ、ハウスダスト、汗ほか様々な環境要因。原因は一つではない!)に刺激された結果、

皮膚に湿疹と呼ばれるかゆいブツブツが繰り返してできる病気のことです。

 

皮疹の特徴

2才未満の乳児期では、頭部、顔に始まりしばしば体幹四肢に出現。


2~12才の幼児期・学童期では、頚部、四肢関節部に出現。耳切れ、体幹や四肢の鳥肌用の毛孔一致性丘疹(アトピックスキン)が見られる。


13才以上の思春期・成人期では、上半身(頭部、顔、頚部、胸、背中)に皮疹が強い傾向。


いつよくなるの?

アトピー性皮膚炎(以下AD)患者さんの多くは、乳幼児期に症状が出ますが、

小学校高学年か中学校くらいまでに多くの人の症状がなくなります。


再発したり、思春期以降に発症する「成人型AD」も増えていますが、そのような人も中高年までにかなり症状が落ち着きます。


AD患者さんの皮膚は乾燥肌で刺激を受けやすいので、湿疹が治った後もスキンケア(保湿)が大切です。

 

めざすはプロアクティブ療法!

症状がよくなった後も湿疹が出やすい場所に、週1~2ステロイド軟膏や

プロトピック軟膏を保湿剤と共に塗り続けるという新しい治療法のことです。

そうすることで、湿疹が再び出てきにくくなります。

保湿剤は12回毎日外用を続けます。


1日2回シャワーを浴びましょう!

石けんやボディーソープで1日の汚れを洗いながしましょう。

12回(起床時、就寝前)シャワーをあびることで汗や皮膚についている細菌・カビなどを洗い流すことが大切です。石けんを使用するのは就寝前だけでよいでしょう。

 

食物アレルギーとアトピー性皮膚炎

同じ症状があるので混同しやすいですが別の病気です。

食物アレルギーとは、本来栄養になるはずの食物を体が受け付けず、痒みやじんましんなどの不快な症状が起こることです。食物アレルギーは子供の消化機能が未発達なために起こります。

食物アレルギーの患者さんの多くは0~1歳までの赤ちゃんですが、年齢と共に改善し、3歳までに約50%、小学校就学までに約90%が原因になっていた食べ物を食べられるようになります。

 

当院通院中の患者様は、症状が落ち着いた後も、保湿剤を毎日しっかり外用して頂くことで、とてもよい肌の状態を保っている方が多いです。


私も幼児期、アトピー性皮膚炎でつらい思いをしたので、皮膚の痒みでお悩みの患者様はぜひ皮膚科を受診して頂きたいと思いますウインク