近場の病院に運ばれるかと思っていたら、その病院の医師が手術中とのことで、少し離れたF病院にじんを乗せた救急車は運ばれた。

すぐに処置に入り、キンタとおいらは処置室の外で待たされた。

何組かの患者さんのご家族さん達も待っていて、数分おきにご家族さん達に状況が伝えられていた。
うちにも何回か医師や看護師さんがやってきて、処置の許可を求められたり、じんのことについて質問を受けたりしていた。

どうやら脳梗塞らしくて、不整脈から引き起こされたらしい。
「不整脈から脳梗塞になるんだ?」驚きとともに同じく不整脈を持つ自分にとって、未来の末路を突きつけられている気持ちになった。

血液をサラサラにする薬を投与するということでまた待たされた。

他の患者さんの処置が終わり、他のご家族さん達が次々と帰っていく。
じんはまだか?キンタと不安な気持ちで処置室の外で長い時間を待っていた。


キンタもおいらも27年前にくも膜下出血で倒れて、病院に運ばれた産みの母、おかんのことを思い出していた。
おかんは病院に運ばれて、何日か後に意識を取り戻すも、その後脳死となり、ICUを出ることなくそのまま亡くなってしまった。


嫌な予感がよぎるもじんは処置を終えて出てきた。
意識はあるようだった。
日付けが8月31日に変わる頃、即入院となった。

入院手続きと説明を受け、どうやら大丈夫そうなので、キンタとタクシーでじんの住宅に一人待つ母に報告しに戻った。
母に説明すると、キンタがじんの車を運転して、キンタとおいらは、ようやく家に戻った。
時刻は午前4時を過ぎていた。

ふと足元を見ると、白い靴下が鮮血に染まっていた。
爪を切ったところからだった。
全く痛みにも気づかなかった。
これからどんな生活になっていくのだろうか?
不安な気持ちで眠りについた…。