『 DIVE !!』
ものごころついてから、小説家の創造
する力に、衝撃を受けるほどの感銘を
受けたことが2回ある。
一つは村上春樹の「ねじまき鳥クロニ
一つは村上春樹の「ねじまき鳥クロニ
クル」で、もう一つがこの「DIVE !!」
(森 絵都)だ。
高さ10mの飛び込み台から、ダイブ
高さ10mの飛び込み台から、ダイブ
して空中演技の正確さと美しさを
競う、飛び込み競技の話である。
その一瞬に魅せられた3人の少年
その一瞬に魅せられた3人の少年
たち。際だった個性と才能をもつ、
知季、飛沫、要一の3人を中心に
物語は展開する。
飛び込みというマイナーといって
飛び込みというマイナーといって
いい競技のルールや採点方法に関する
あれこれも興味深いが、
僕が感銘を受けたのは、なんといって
僕が感銘を受けたのは、なんといって
も、競技の場以外での3人の生きる姿
や、その背後に見え隠れする人生観や
心のあり方である。
心の成長は1人で成し遂げられる
心の成長は1人で成し遂げられる
ものではない。仲間やライバルや環境の
ひとつひとつが、まるでジグゾーパズル
のピースのように集まって、今の自分
を作るのだ。
目指すものをもって、生きるって
目指すものをもって、生きるって
素晴らしい。
第1部ー友季 編 第2部ー飛沫 編
第3部ー要一 編 を経て、第4部ー
第1部ー友季 編 第2部ー飛沫 編
第3部ー要一 編 を経て、第4部ー
オリンピック選考大会 から
なるこの作品は、
最後に、見事なまでの納得のいく結末へと
最後に、見事なまでの納得のいく結末へと
収束する。
一つのことを極めようとした者にしか、
一つのことを極めようとした者にしか、
感じられない風が心を吹き抜ける。
「一途一心」(雑念を振り払って、
「一途一心」(雑念を振り払って、
目の前のことに取り組むこと)という
言葉がもつ意味が、シミジミと感じ
られるこの小説。
壁に当たった時の、心の栄養剤と
壁に当たった時の、心の栄養剤と
して、折にふれて手にする、僕の
愛読書のひとつである。