Jammyです。
ブログの読者になってくれた方に、お礼を言いたいのですが、アメーバのシステムがよくわからず上手く言えないので、この場を借りて「ありがとうございます!」
この前、NYOが、HIPファンのzommyにヒップホップ絵本をプレゼントしたらしい。その企画に、俺は誘われていない。
悲しくなったから、一人で絵本を描いてみた。
ヒップホップ携帯絵本の始まりだ!
「笛吹ピエロ」
絵・文:s.w.jammy
昔々、ある小さな村にピエロの少年が住んでいました。
彼はお調子者で、特技は笛を吹くこと。村の人気者です。
ふざければ人は笑い、笛を吹けば人は聞き入り、踊れば村中の視線が釘付けになります。
しかし、彼はとても臆病者でした。
ピエロになった理由は、恥じらいや悲しみを笑い話に変えるため、つまり自分の自尊心を守るためでした。
そんな彼が、ある日大好きな女の子に告白して、残念な結果になりました。
彼は、流してしまった涙を隠すために、自分の弱さや女々しさを誤魔化すために、目の下に涙の入れ墨を彫りました。
そして彼は考えました。
どうすれば彼女と結婚出来るのか。
彼が出した答えは、一流のピエロになることでした。
ピエロという不安定な職業は、人生におけるギャンブルです。
彼は彼女のために、自分の道で強引に安定をすると決めたのです。
思い立ったら吉日と、彼は翌朝村を出ます。
臆病風に吹かれないように厚着して、何も見えない現実に一歩を踏み出しました。
結果として、彼は腕を上げていきました。
苦難を踏みしめ、歓びを噛みしめ、少しずつ力を付けていきます。
大きな街での公演を何本も成功させて、小さな村での演奏も手を抜かずに、一流のピエロになりました。
傷んだ服や落ち着いた物腰は、彼の苦労を物語っています。
何も食べられない日もあった、物乞いのような真似もした。
だけど、今、彼の全ては世界から肯定されています。
祝福の時は近いと、彼は自分の村に帰ることにしました。
焦がれ続けた彼女の手を取るために。
村は英雄の凱旋かのように盛り上がっています。
人伝に彼が帰ることを知った村民達が、迎え入れる準備をしたのでしょう。
彼は彼女を探しますが、どこにも見当たりません。
彼女まで、あと一歩という気持ちが、心に小さな余裕を生みます。
ここで、彼はコンサートの依頼を受けます。
村に帰ってすぐのことに驚いたものの、彼は快諾しました。
成功するまで、ハードな生活をしてきた彼にとって、村に入ってすぐのコンサートなど慣れています。
自分の成功した姿を彼女に見せたい。
そんな気持ちで、彼は村で一番大きなステージに向かいました。
ステージには既に人が集まっていて、彼が舞台に上がると大きな拍手と歓声が上がります。
彼はただ彼女の姿を探す。
ついに、見つけたその時、
彼女は隣の男と手を繋ぎました。
彼は流れそうな涙をこらえて、笛を吹きます。
曲は哀愁漂うラブバラード。
その曲を終わりまで聞いて涙を流さなかったのは、彼女と隣にいる男だけでした。
彼女はその男と幸せに暮らしました、なんて物語を想像しながら、ピエロは必死に笛を吹きます。
涙が流れたらおどけて見せて、
声が嗄れたら動物の真似をして、
怯える心を誤魔化して、
涙の笛吹ピエロは悲しい音色を響かせました。
めでたし、めでたし。




