母は、階ひとを受講し、静功を習うとさっそく毎日静功の修錬を始めました。 

やり始めたときは、集中できないときもあったようですが、母はこつこつと毎日30分を続けました。

初めから1時間2時間という長時間は難しく、30分が限界と言っていましたが、たとえ短い時間でも毎日30分続けたことが良かったようです。

母は、夜寝る前に静功をするのが好きなようで、そうすることで心が平静になり、落ち着くと言っていました。

不安や苦しみが一心に念訣を唱えることで、思考から消え去り、終わったあとの心がとても穏やかになるようでした。


教科書には、精神状態が落ち着
かないときはやってはいけないと書いてありますが、母のように悩みがある人でも、それを解決したいと願っている場合は、やってもよいのかもしれないと思いました。


母は、子時接功(錬功効果の高い日の子の刻にかめ仙人につながって静功する)をきちんとやっていました。

そこで、かめ仙人につながって、自分のいろいろな悩みや考えをお伝えしていたようです。

私には、どんなことを伝えていたのか、あまり話してはくれませんでしたが、自分の心の誰にも相談できないことを、この時間にかめ仙人に伝えることで、心が整理されていったようです。

母の本当の思いは、親子といえども他人である私にはわかりません。

ですが、今現在の母は、癌とわかる前の、ちょっとしたことで大笑いする、底抜けに明るい母に戻っています。

悩み、不安がありつつも、自分で自分の心を支えられる強さを、母は静功で得たのではないでしょうか。


くりかえしますが、

静功は、体も元気にしてくれますが、

心も元気にしてくれます。