10月9日（祝）、小田原にある小田原文化財団「江之浦測候所」がオープンする。 芸術家の杉本博司氏が、海沿いの土地を買い取り、構想10年、工事に10年費やした施設。 敷地内にある「光学硝子舞台」は相模湾に向かって建てられた絶景ポイント。檜の懸造りの上に光学硝子が敷き詰められた舞台で、観客席（約180席）はイタリアのフェレント古代ローマ円形劇場遺跡を実測して再現したもの。この舞台の脇に平行に突き出ているのが、「冬至光遥拝隧道」で、冬至の朝、相模湾から昇る陽光が70メートルの隧道をまっすぐに貫き、その先にある巨石を照らし出されるよう造られている。 また、敷地内にあるもう一つの舞台は「石舞台」。この舞台は能舞台の寸法を基本に計画されている。舞台は近隣から発掘された江戸初期に切り出された石材、橋掛りには福島県川内村の滝根意思で岩盤から剥がされた23トンの巨石を配している。この石橋の橋掛りは、春分秋分に相模湾から昇る朝日の軸線に合わせて設計され、舞追え、夜明けとともに、橋掛りから幕へ入るシテの背に朝日を受ける、という構想のもとに設計された舞台。
そのほかに、茶室「雨聴天」や、旧奈良屋門（箱根宮ノ下にあった名旅館の別邸に至る門）、天平時代の奈良元興寺の礎石や、飛鳥時代の法隆寺の若草伽藍礎石からなる造園など、自然と人間、古代における神と人間を意識させる施設からなる。
入館は、完全予約・入れ替え制（3000円）。
開館日：木曜日〜火曜日。休館日：水曜日。
詳細は小田原文化財団http://www.odawara-af.com/ja/