久しぶりの投稿になります。

現職での業務に追われ、ブログをお休みしておりました。

勤務していた精神科のクリニックの閉院を機に、

IT企業や就労移行支援事業所に転職をしていく中で

「ひきこもりと就労支援」において

今の時代どんなサービスが提供可能なのかを勉強しております。

 

 

 

時代に応じて人が要求するものは移り変わります。

必要になるものも移り変わります。

それを手に入れる方法や手段も変わります。

(これが一番早い速度で変わりますね)

 

 

 

事業所に通う利用者さんで、

宮沢賢治が好きだという方がいらっしゃいます。

「銀河鉄道の夜」は実は子どもには解釈しかねるほど奥が深い、

という話を聞きました。

子どもの頃以来読んでなかったなと思い、

最近もう一度読んでみました。

 

 

 

なるほど、奥が深い。すごくディープだ。

銀河を旅するのはファンタジーなんかじゃない。

深い闇の中の旅じゃないか。

闇の中にきらっと光るもの。これ子どもにわかるのかな?

「星の王子様」も今年になってはじめて面白いと思ったけれど、

「銀河鉄道の夜」も全く同じ大人の気づきがありました。

おっと話を戻しましょう(笑)。

 

 

 

小説の冒頭から心がほぐれていきました。

主人公ジョバンニと友だちのカンパネルラが

図鑑の星の写真を時間を忘れていつまでも眺めているシーン。

これ、今の子どもだったら眺めるのはゲームの画面だろうな。

一枚の写真をいつまでも眺めるなんて今の子どもには無理。

きっと脳の構造からして昔と今じゃ違うのだろうな。

そしてジョバンニが教室ではいつでも眠くて集中できないということ。

カンパネルラは元気に手を挙げたから指されたのに

指されたら答えられなかったこと。

 

 

 

今だったら二人とも発達障害の疑いと判定されるかもしれませんね。

 

 

 

時間を忘れて没頭するのは、

一枚の写真からあまりに多くのことが想像できるから。

教室で眠いのは家庭でやらなければいけないことがありすぎるから。

そして、心配事がありすぎるから。

手を挙げたのに答えないのは

友だちが集中できずにいることを気の毒がって、

自分だけ元気に振舞えなかったから。

 

 

 

きっと、今の時代にもこういう誤解ってあるのだと思います。

おまけに、戦後の経済復興とともに第二次産業が盛んになり、

今は第三次産業の仕事ばかりの世の中ですから、

ものづくりの技や勤勉さだけでは仕事ができなくなり、

コミュニケーション能力がないと仕事に就けないという風潮があります。

人が正しく評価されないまま、自分の力を活かせない時代になりました。

 

 

 

でも、時代に応じて生活や仕事は変わりますが、

どの時代にも変わらないこともあります。

 

 

 

子どもはいつだって好奇心が旺盛だということや、

人を思いやる気持ちや、

人のためになりたいと思う気持ちはいつの時代も変わりません。

発達障害という言葉が誰もが知る言葉になり、

仕事しやすくなったり仕事の選択肢が広がったとしても

職場でうっとおしがられたり

人よりできないことで悩んだりすることは変わらないと思います。

 

 

 

どんなに便利になっても、どんなに人が知識を得ても、

結局苦しみは同じ。

人と人との間に誤解が生じる限り

生きることには苦難が伴います。

人と人との間の誤解はゼロになることなんてないし。

 

 

 

いくら新しい学説を勉強しても、

いくら他業種の勉強をしても、

結局のところこの世に天国はない。

誰もが生きやすいというゴールはこの世にはない。

 

 

 

 

それでも、銀河鉄道に乗り合わせた人同士が心を通わせるあの瞬間、

人生そのものがばら色にならなくても、

乗り合わせた間だけ、乗車時間だけの幸せ。

目の前に人がいるから湧きおこる感情。

人がいなければ起こらない心の震え、

そういうことを大事に生きていければ、

人生そんなに苦痛ではないような気がします。

 

 

 

療育や特別支援教育や学校教育がどんな風に変わっても、

きっと人間の根っこは変わらない。

 

 

最後に

国際宇宙ステーションから帰還した宇宙飛行士の野口聡一さんのインタビューに感動したので共有します。

 

 

 

「コロナで皆さん我慢をしていると思いますが、私も宇宙から地球を眺めることしかできず、常に地球を美しいなとうらやむことしかできません。そういう時こそ自分の手の中にあるものを大切にしていかなければと思うのです」

 

 

 

 

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