透析室では、腎臓の活動を人工的に補佐する治療法「血液透析」を行っています。血液透析の場合、1回にかかる時間は4〜5時間ほどとされており、看護師はその時間、それぞれの患者さんに異変がないかを確認しなければなりません。以下では、そんな血液透析の流れの概要をまとめていきたいと思います。

血液透析には、人工的に作られた腎臓(ダイアライザー)を使います。血管に針を刺して血液回路につなぎ、血液を体の外に取り出します。取り出した血液を、機械を使って循環させながら、ダイアライザーで老廃物や水分を除去します。

ダイアライザーの内部では、拡散と限界ろ過という現象を使って水分や老廃物をろ過しています。拡散とは、水の中に含まれる目に見えない小さな物質が濃い方から薄い方へ移動し、均等な濃度になる現象のことです。煮る時間が長くなるほど、食材内部に味が染みて味の濃い煮物になるのと同じです。透析時間が長いほど、血液(濃い)から透析液(薄い)へ老廃物が抜けます。そのため、短い透析時間では十分な老廃物が抜けません。

限界ろ過とは、圧力をかけて腎不全によって溜まった体の水分を除去するシステムのことをいいます。圧力差を大きくすると、たくさんの水をろ過できます。しかし、短時間でたくさんの水分を体内から取り除こうとすると、血圧が低下して溶血や赤血球を損傷したり、嘔吐や吐き気などの症状が現れるため、ゆっくり時間をかけて水分を除去しなければなりません。水分と老廃物を除去したら、血液を体内に戻します。長い時間をかけてこの工程を繰り返し、血液をきれいにしていきます。

ここでは、看護師の仕事の中でも特殊な業務が多い透析室看護師のメリット、デメリットに触れていきたいと思います。

まず、現場で働くメリットの1つ目として挙げられるのが、透析の専門知識・スキルを身につけられる点です。シャントに関する知識、透析機械の使い方、また循環動態のことなど、より専門性の高い知識を得られます。もっと知識を広げて、透析のエキスパートを目指したいのであれば「透析療法指導看護師」「透析看護認定看護師」「透析技術認定士」などの資格取得制度もあるため、挑戦してみると良いでしょう。

そして2つ目のメリットはワークライフバランスが取りやすい点です。透析クリニックによって異なりますが、日中のみ対応する日中透析を行っている職場が多く、日勤のみの職場が多い傾向にあります。また、1日に透析ができる患者さんの数は限られていることもあり、残業も少ないといわれています。そのため家庭や趣味、プライベートにきちんと時間を割きたい人におすすめです。ただ、患者さんの都合に合わせて、夜間透析に対応していたり、祝日でも透析を行っているケースもあるため、転職する際は確認しておきましょう。

一方、デメリットとしていえるのが、専門的な知識を活かした他診療科への転職が難しい点です。透析室看護師として活躍すれば、透析の専門知識やスキルは身に付きますが、こうした知識やスキルは他の診療科では実践する機会がありません。そのため、他の科目への転職も視野に入れているのなら、透析の世界には向いていないといえるでしょう。さらに、単調作業でマンネリ化しがちな点もデメリットに挙げられます。基本的に透析の手順は決まっています。そのため看護師は毎日同じルーティンワークを行うことになります。決まった手順で仕事をするのが好きな人には向いていますが、日常に変化が欲しい人であれば、物足りなさを感じる可能性が高いでしょう。